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岩塩層下油田開発=ペトロブラスがゴーサイン=6月資金調達開始=悲願、産油国入り成るか=総額500億ドルを集める

ニッケイ新聞 2010年2月20日付け

 ペトロブラス石油公団は18日、内外の投資銀行12行が6月、岩塩層下油田の開発に500億ドル用立てを表明したことで、過去最大の新株発行を発表したと19日付けフォーリャ紙が報じた。国際金融は同油田の原油の採掘費用は、政府の想定をベースにバレル当たり5ドルと見ている。それが15年から20年後、どのような石油相場となって国際市場で展開するか見ものとなっている。

 岩塩層下油田開発で予想される出資率は、政府が32・1%の250億ドル、ニューヨーク証券取引所の調達が29・7%の231億ドル、サンパウロ市証券取引所の調達が16・3%の127億ドル、ボベスパにおける外国人投資が9・1%の71億ドル、社会開発銀行(BNDES)が7・7%の60億ドル、年金基金Previが3・1%の24億ドル、ペトロブラスのFGTSが2%の16億ドルとされる。
 同油田開発は現在、議会の承認待ち。だが資金調達でスタートが切られたことから、試掘を落札した各社の開発場所決定や始動開始時期の決定が急がれている。
 政府が250億ドルを調達して原油採掘費用をバレル当たり5ドル以下に保てば、投資総額が750億ドルに達する可能性がある。そうであれば、これは00年バンカメの増資190億ドルを上回り、06年の中国商工銀行(ICBC)新株発行による191億ドルをも追い越す。
 岩塩層下油田の資金調達はよいが、これによって開発参加の各社に課した開発基準が、公社や政府、油田所有者に有利となる細工を施したとの話もあり、見直しも急務だという。
 協力銀行12行のうち、伯銀は暗黙のリーダーとなっているが、最終的なリーダーは議会承認後、資金調達が終了してから決める。
 12行は、年金基金や12行以外の投資銀行らと持ち株率保持のために、さらなる資金調達を打診している。予定の出資率は、優先株を取得するためのチャンス。
 新株の売り出しに際し資金が足りなくて買えない場合、折角の優先株を第三者へ譲渡しなければならないからだ。ブラジルで商売をする銀行にとって、最大のチャンスが到来したのだ。
 ペトロブラス新株の受け入れに関して、支払われる取り扱い手数料は、各投資銀行で取引額のばらつきはあるが、1行当たり平均1億ドルとも見られる。一行当たりの年間営業益の相当額にもあたり、バカにできない金額だ。