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人の命や金左右するゴミ=不法投棄やポイ捨てで山=大雨降れば洪水を生む元

ニッケイ新聞 2010年2月20日付け

 17日の雨で再び水害が起き、行方不明者も出たサンパウロ市では、随所にゴミの山が出来、市民やゴミ処理業者、行政の全てに警告を与えている。
 19日付G1サイトや伯字紙によると、雨の後にゴミが山積したのは、セントロのサンジョアン大通りなど。その一方、雨が降ると道端のゴミの山が崩れ、道路や川に運ばれてゴミが減るというのはサウデ地区など。
 どちらにも共通しているのは、不法投棄やゴミのポイ捨てなど、市民モラルに直結した問題だ。
 セントロのゴミの山には、サンドイッチの袋や使い捨てコップ、枝、片足だけのシネーロなどが散乱。ゴミ袋が雨で運ばれ、排水口付近に集まっている光景も、水が溢れる所ならお馴染みだ。
 また、雨で量が減るゴミも、粗大ゴミなどを捨てる人がいるから起きるもの。生ゴミからの悪臭やゴキブリ、ゴミを回避し道の真ん中を歩く必要などの問題も派生する。
 さらに、18~19日に、粗大ゴミ回収車やトラクターなど22台の車両と13人検挙のジャグアレー地区では、正規の認可を得ていない土地に大量のゴミを持ち込み、埋め立てていたという。
 これらゴミの蓄積個所は、排水口を塞ぎ水の流れを阻害、川底が浅くなり溢れ易くなるなどの問題が起こり、大雨の度に洪水が起こる所もある。
 17日も、ショッピング・プラザ・スルから帰ろうとした青年が、水に閉じ込められた車から運転手と女性を助けた後、足を滑らせて川に落ちるという事故。気付いたいとこが手を掴んだが、15秒と持たず、濁流に押し流されたという。
 高校終了後、フェイラを手伝ったりしていた快活な青年の捜索範囲は、オザスコ周辺まで広げられたが、18日夜現在も行方不明のままだ。
 ゴミ収集車も来ないと苦情の出る地域もあり、サンパウロ州検察局は19日、カサビ市長とセーラ知事も招いて、洪水原因と対策について話合う。
 心無い行為で雨に弱い都市がさらに荒れ、人の命を奪う事にも繋がる事への啓蒙や清掃活動は、行政だけの責任ではないが、1月の消費過熱継続の報道も、水害で失った物品購入などが後押ししたものであるなら、経済成長と喜ぶには程遠い。