ニッケイ新聞 2010年2月23日付け
中野恵市元会長、今井千兼子元会計理事を除名、提訴へ――。在伯長崎県人会は21日午前、定期総会を開き、公金を横領したとみられる今井元会計理事、中野元会長を除名処分とし、近日中に提訴に踏み切ることを確認した。24人が出席した。役員改選も行われ、新会長には、リベイロン・ピーレスの川添博氏が就任、「不祥事の解決を待つ会員の気持ちに応え、2年間取り組んでいきたい」と力強く語った。
昨年3月の定期総会で明るみに出た今井会計理事による横領問題。6万レアルが使途不明とされていたが、その後の調査で約3万レを同理事が着服したと見られている。
インターネット操作で銀行口座を操作できる手続きにサインし、約2年間監事会を開かなかった中野元会長と同理事を除名処分とすることを、今月7日の理事会で決議。
すでに中野元会長には通知済みだが、今井元理事については、「現住所が確定できていないため、送れずにいる状態」(野口会長)だという。
すでに弁護士を通じ、両者を提訴する書類上の手続きは終了しており、近日中にも裁判に入ると見られる。
昨年の会計報告では、6万2984レアルの収入が報告されたが、そのうち約2万2千レアルを役員有志が捻出している状態だ。
なお、ジャバクアラの会館は賃貸の手続きを進めており、会の事務所はリベルダーデ区グロリア街332番(62号室)に移動している。
このような逼迫した経営状態から、10月には事務員を解雇、本年度の県連日本祭りへの不参加や援護協会、文化協会からの脱会を主張する声も聞かれた。
一連の不祥事は母県にも伝わったことで、助成金中止も懸念されていたが、09年度の72万円が県議会で承認されたことも発表された。
本年度の予算は、5万8363レアルであることが報告され、役員選挙では、新会長に川添博氏、副会長に栗崎邦彦、杉本俊和の両氏が選挙によって決まり、問題解決とともに会の運営正常化にあたる。
総会後には、新年会が開かれ、賑やかに会話を楽しんでいた。
◎
新役員は次の通り。
【会長】川添博。【副会長】栗崎邦彦、杉本俊和。【会計】森繁親、山下広行。【監事】(正)右近倍枝、田中健助、牧山栄治。(補充)滝ヶ平功、高島保。