ニッケイ新聞 2010年2月25日付け
中南米諸国首脳の支持に基づきルーラ大統領は23日、国連と安保理を糾弾、フォークランド(マルビナス)諸島の亜国帰属を弁護と24日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。「現在は、国際政治が危機に瀕している。国連安保理のあり方を厳しく問い、国際組織を改革する必要がある。第2次大戦当時の強者による弱者支配の構図は、言語道断。何故、世界は変わらないのか」と大統領は訴えた。中南米首脳32人は23日、米加抜き中南米共同体(Celac)の設立に合意した。
ラテン・アメリカとカリブ海諸国首脳会議は23日、思わぬ展開で幕を閉じた。「中東紛争で国連は、米国の幇間(ほうかん)となり下がっている。これからは同首脳会議で、国際問題に取り組んで行く」と宣言。
ルーラ大統領によれば、国連は腑抜けだ。世界の多くの国が、国連は国際問題に対処するのに軟弱であると見ている。世界の弱小国が団結して、安保理の改革に取り組むことを提唱した。
マルビナス諸島に対する国連の態度を、大統領が非難した。同諸島奪還のため、中南米諸国の連帯を求めた。「同諸島の歴史と地政学において英国の侵略は、どのように弁明するつもりか。同問題で国連は、沈黙を保って逃げ腰だ」と机を叩いて一同に訴えた。
中南米首脳会議は23日、米国とカナダを除くラテン・アメリカとカリブ共同体(Celac)を組織した。ワシントンの意向を入れない独自色を打ち出す、いわば米中心のOASから、伯中心のOASへ衣替えするようだ。
次回中南米首脳会議は11年7月、カラカスで開催され、Celac本部も設置される。同共同体は、一枚岩ではない。次回には、ベネズエラとコロンビアの舌戦が予想される。それでも米帝国の呪縛から解放された共同体発足は、ボリヴァルの夢であったという。
同共同体は、マルビナス諸島の亜帰属で同一歩調を採ることになった。これから同諸島の帰属を巡って亜英間で国家主権が議論されるが、中南米首脳は亜国の合法的所有権を支援する。一同は双方が、同問題を平和的に解決する交渉会議の席につくことを要請した。