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1月も経常収支悪化続く=直接投資減少も追い討ち=国外での伯企業投資は増加

ニッケイ新聞 2010年2月25日付け

 1月経常収支が38億ドル赤字の上、外国からの直接投資も7億8900万ドルに減り、12カ月累計経常収支赤字は直接投資でカバー不能と24日付伯字紙が報じた。
 経常収支悪化は、1月22日付本紙でも09年12月の経常収支が59億ドル赤字などと報じたが、1月までの12カ月の経常収支赤字は254億ドル。01年1月以降9年ぶりに同期直接投資累計の248億ドルを上回り、国際収支黒字維持には、直接投資以外の助けが必要となった。
 中銀は12カ月累計の経常収支赤字が直接投資額を上回る状態は2月も続くと予想しているが、それでも、年間の経常収支赤字は400億ドルで、450億ドルの直接投資でカバーできるとの見方を崩していない。
 一方、サンパウロ州カトリック大学アントニオ・C・ラセルダ教授は、10年の経常収支赤字は450億ドル、直接投資は400億ドルと予想している。
 同氏によれば、10年の国際的な収支バランスの崩れは、直接投資以外の証券投資や金融派生品その他の投資などで埋め合わせ出来、大きな懸念は不要だというが、経常収支赤字が急に増え、直接投資で埋められない状況は来年以降問題を残すともいう。
 経常収支赤字が直接投資で埋め合わせ出来ない状態は5カ月になるが、この動きには為替不均衡も影響している。
 12月の50億ドル超から7億8900万ドルに急落の直接投資は、23日までに22億ドルに回復中だが、1月の経常収支赤字は、サービス・所得収支の39億5200万ドル赤字の影響大。
 貿易収支は1億6600万ドル赤字、出稼ぎ送金や国際機関への拠出金などの経常移転収支は2億7800万ドル黒字。サービス・所得収支では利息の19億ドル赤字が特出し、利子や配当金などの所得収支も8億2100万ドルの赤字だ。
 一方、外国企業が経営支配目的で投ずる直接投資に比べ、合併吸収も含む伯企業の国外への直接投資は約12億ドルで、2月も既に30億ドル。
 1月の証券や金融派生品などに対する外国企業の投資は37億ドルで、経常収支と資本収支、外貨準備を総合した国際収支では黒字を維持した。

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