ニッケイ新聞 2010年2月25日付け
ISAAA(バイテク国際サービス)は23日、GM(遺伝子組み替え)とうもろこしの栽培解禁で、ブラジルのGM農産物の作付けがアルゼンチンを超え、米国の6400万ヘクタール(hec)に次ぐ世界第2位のGM生産国と発表したことを24日付けフォーリャ紙が報じた。
ブラジルの生産者は昨年、GM農産物の作付けを35・4%増の560万ヘクタール(ha)も増やし、合計で2140万haに広げた。これは世界の09年GM作付け増加が900万haなので、半分以上がブラジルとなる。
GM農産物で一番多いのは大豆の1620万haで、大豆の作付けの71%がGM。次ぎに害虫に強いGMとうもろこしの500万haで、全体の31%がGM。前年度比400%増の勢い。綿は15万ha、全体の16%がGM。
バイオ安全委員会はGMとうもろこし2種の栽培を解禁、世界でも稀に見るGMとうもろこしの広がり振りを見せた。
途上国は農産物の作付けで、ブラジルに続き国際経済をリードしようとしている。将来はラテン・アメリカ経済のけん引車が視野にある。
ブラジルの立場は、アルゼンチンとは異なる。GMの作付けは隣国より10万ha多いが、隣国は可耕面積が限界にある。ブラジルは十分余裕がある。隣国の大豆は、100%がGM。とうもろこしは85%。綿も殆どがGMだ。もう選択肢のないことを意味する。