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パラー州=新型インフルで6人死亡=〃アマゾンの冬〃が悪影響=全国の予防接種3月から

ニッケイ新聞 2010年2月26日付け

 25日テレビニュースで、09年中の新型インフルエンザ(H1N1)による死者が10人だったパラー州で、今年は既に6人死亡と報じた。
 「真夏に新型H1N1死者?」といぶかる人も居そうだが、パラー州を含む北伯では、〃アマゾンの冬〃との言葉もある様に、1~5月は連日雨となる事も珍しくない。当然、家にこもるなど、締め切った空間で過ごす機会が増え、ウイルス感染も起こり易くなる。
 ブラジルでも、09年4月25日~12月31日に1705人が死亡、3万9679人が重症と報告されたH1N1は、当初ほど騒がれていないが、23日のWHO(世界保健機構)会議で世界的流行(パンデミック)終焉宣言が見送られたのは、医療面や経済力の弱い国の多い南半球の冬に、第2の流行が起こる事への懸念が残っているため。大流行終焉宣言で、予防接種実施への力がそがれる事も懸念された。
 25日付伯字紙には、H1N1は20世紀に大流行した他の病気に比べて致死率も低く、注意すればパニックを起こす必要もないとあるが、パラー州で、6人死亡、感染が確認された人の数も1週間で倍増との報告がある様に、H1N1ウイルスは根絶されておらず、気候変化などの要因で患者が連続発生する可能性は否定できない。
 保健省が1月26日に発表した予防接種日程は25日に一部改定され、5段階で実施される。
 第1段階は3月8日~19日。医療機関で働く人々(医師や看護婦、職員)と先住民が対象。
 第2段階は3月22日~4月2日で、60歳未満で高血圧や糖尿病などの慢性疾患のある人と、6カ月~2歳の小児及び妊婦が対象。
 第3段階は4月5日~23日で、慢性疾患のない20~29歳の人と妊婦が対象。
 第4段階は4月24日~5月7日で、60歳以上で慢性疾患のある人と妊婦対象。60歳以上の人には季節風邪のワクチンも同時に接種される。
 第5段階は5月10日~21日で、慢性疾患のない30~39歳の人と妊婦が対象。
 保健所での予防接種は無料。卵アレルギーの人は受けない方が良い。