ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 英国は中南米を軽視=マルビナス問題に暗雲

英国は中南米を軽視=マルビナス問題に暗雲

ニッケイ新聞 2010年2月26日付け

 英外務省の報道官は24日、フォークランド(マルビナス)諸島の油田試掘で中南米諸国首脳がアルゼンチン帰属を訴えて結束したことを受けて「英国は南米の地域発展のために連帯しているのだ」と声明を発表し、ブラジルを中心とする地域団結の動きを過小評価と25日付けフォーリャ紙が報じた。
 亜政府が中南米諸国首脳32人の支援を得たことで、亜国が外交的に弾薬を得たと、英外務省は理解した。また亜国のホルヘ・タチアナ外相は24日、国連のバン事務総長を訪ねた。
 亜外相は事務総長と会談後、英政府と国家主権について話し合うための重要な公式順序であると述べた。「亜国は外交手段と国際法にのっとり、亜国の権利を要求する」と声明を発表した。
 英国が国連安保理の常任理事国でありながら、帰属問題が争われる地域での一方的行為は、国連憲章の侵害に当たるものだと亜政府はいう。
 ルーラ大統領は24日、英国の一方的行為の即時停止を前提とし、亜支持を全面に出して立ち上がった。クリントン米国務長官の来伯時には、マルビナスと英国も話題に上がりそうだ。
 しかし、英外務省は中南米首脳会議を烏合の衆と位置付けし、宣言の実効性は疑問だと評した。同会議が何を騒ごうと、世界の誰が相手にするものでもないと開き直った。英政府は同諸島における亜国の国家主権を否定、国際法においても英国の領有に何ら支障はないとした。
 同諸島の帰属を回復しようと1982年、亜政府は強行手段にでたが、英軍によって撃退された。それで亜政府は外交手段での解決するため、国際支援を呼びかけたが、困難を極めた。
 キルチネル亜大統領は、フォークランド近辺の航行制限を法令化。また亜政府は同地域開発を試みる企業に、制裁を検討中だ。従って英国の行為は、亜国家資産の略奪と見なしている。