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ブラジル外交=「国際舞台の主要人物に」=イラン孤立化を防ぐ=同盟結成で大国支配脱す=ルーラに「仮面」批判も

ニッケイ新聞 2010年2月27日付け

 アモリン外相は25日、「ブラジルは国際政治の舞台で主要登場人物である」とコメントしたことを26日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。ブラジルの提唱で多数の同盟組織を結成、ルーラ大統領がその指揮を採っている。中南米カリブ共同体の設置案は、その典型。この筋書きを通してイランの孤立化を防ぎ、ホンジュラスでコケにされたセラヤ前大統領の顔を立てる。「ラテン・アメリカの200年にわたる歴史で、強大国の支配を受けず、これだけ団結をみせるのは初めて」と同外相は述べている。

 この7年間、PT(労働者党)は伝統的な政治姿勢をみせずにきたが、先の第2回中南米カリブ首脳会議での国連批判にみられる演説では、8年目にして本来のイデオロギーを表わしたようだ。
 同紙は、オバマ米大統領が「カーラ」(できる奴)とルーラ大統領を評したことを皮肉り、キューバ、ホンジュラス、イランなどで「カーラ」(仮面)を付け替えて〃変身〃していると指摘している。
 カンクンで行われた同首脳会議で、英国がマルビナス(フォークランド)で油田試掘を始めたことで「国連は腑抜けだ」と罵倒した。最早、発言に遠慮会釈もない。「安保理の頭は、第2次大戦の時点で停止」とも酷評。
 「我々が動かなければ、国連は死に体である。中東紛争は、米国の都合で采配される。国連の平和交渉は、どうした」と八つ当たり。
 ルーラ大統領の変身は、所変われば品変わると本人自身が認めている。一つの同じ手でイランを愛撫したり、ホンジュラスのローボ新大統領にビンタを張る。そのイランには、ハマスや北鮮、コンゴ、スリ・ランカが連なっている。
 ハイチはルーラ大統領によれば、地震前から極貧国であった。泥棒と独裁者の国だ。ブラジルは、ハイチに民主国家を設置し民主政治を育てる考えだ。そうしないと無法地帯になるという。
 一方、英政府はマルビナス油田開発で亜政府との合弁を呼びかけたが、領有権での交渉は拒否した。国連憲章では、領有権で問題のある地域での資源開発を禁じている。国連のバン事務総長は25日、マルビナスを植民地と位置付けした。