ニッケイ新聞 2010年2月27日付け
ブラジルへ政治亡命を申請し、最高裁から身柄引渡し判決を下されたバチスチ容疑者の処置について、ルーラ大統領から結論の出ないまま、イタリアのベルルスコーニ首相が3月9日、来伯と26日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
ベルルスコーニ伊首相は、イタリアで長者番付の上位にある事業家。同首相の政治姿勢は、異色タイプで話題も多い。最近は市民から置物を投げつけられ、鼻の骨と前歯二本を折った。04年には、カメラの三脚で殴られたこともある。
バチスチ容疑者の扱いでは、伯伊両政府は見解を異にしている。最高裁は09年11月、同容疑者の身柄引渡し判決を下した。しかし、グラウ判事はルーラ大統領が同容疑者にブラジル寄留を許すなら、判決を見直すという但し書きをつけた。
伯伊両国が1989年、交わした犯罪人身柄引渡し協定に従い、伊政府は大統領判断を待つという。一方、法務省は09年、同容疑者の亡命を正式認可した。同容疑者は現在、不法入国者としてブラジリアのパプーダ刑務所に拘束中。