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神奈川文化援護協会=怒号飛び交う定期総会=「全部デタラメ」「嘘つき!」=高村説明に会員納得せず=食い違う互いの主張

ニッケイ新聞 2010年3月2日付け

 あんたの言っていることはデタラメだ――! 60万レアルもの公金が副会長だった高村純氏の不正操作で消えたとされる神奈川文化援護協会。28日に開かれた総会には約30人が集まった。「(ニセ弁護士の)浅川に騙された」としつつも、領収書も出さず、辻褄の合わない説明を続ける高村氏に声を荒げる会員も多く見られた。対策委員会は真実の究明を引き続き行うことを確認した。役員の改選も行われ、新会長には、永田淳氏が就任した。

 会計報告では、銀行口座は1万8817レアルの赤字となっており、高村副会長によりニセ弁護士浅川マルセロに送金された金額が61万レアルに上ることが報告された。
 これらの領収書は全くなく、あるものも偽造であることが大矢進貞監査から報告された。
 続けて、「会館維持費には月額4千レアルかかり、会館売却には100万レの見積もりが出ている」とし、「新聞やコロニアに対して、我々は何も隠すことはない」と宣言した。
 この問題に関して開かれた過去2回の臨時総会を欠席した高村氏は今回、ジョアキン・クルス弁護士を伴って出席。
 「総会に来たということは会に協力するということ。知り合いからも励ましのメールを貰っている。悪い心を持って何かをしたことはない。会、文化、社会のためにやってきた。新聞などで浅川と一緒に何かやったように書かれたのは悲しいこと。詐欺にあったのは確実」と説明に立った。
 ニセ弁護士浅川を連れてきたのは高村氏だとする協会の主張に対し、「遅れて着いたときには、他の理事とのすでに自己紹介は終わり、初対面だった」と説明。
 これに対し、大矢監査は、「通訳をしたのも、書いたものを説明したのも高村氏。初対面というのにおかしい」と厳しい口調で反論した。
 08年10月、最も高額の14万レもの送金手続きが行われたことについて、高村氏は「村田会長と馬鳥会計との3人で手続きした」と主張。
 大矢監査がその場で二人に確認すると、「記憶にない」(村田)「そんな大金を動かすわけがない」(馬鳥)と答えた。
 会員から失笑が漏れるなか、高村氏はただ「調べたら分かること」と繰り返した。協会では現在、サインの筆跡を調べるため、銀行に協力を要請している。
 大矢監査は、「二宮金次郎像の輸送費」として4万レが送金されていることについて追及。高村氏は、「浅川に騙されていた。信用していた」とした。領収書はない。
 白又議長は、「副会長の立場でありながら、会が潰れるほどの多額の公金を引き出すのに何故、理事会も通さず、誰にも言わなかったのか。途中で誰かが知ったなら、止められたはずだ」と興奮した口調で問い詰めたが、高村氏は答えなかった。
 会員の女性から、「あなたは嘘ばかり言っている。(会計に疑問を抱いていた)大矢さんを会合に呼ぶなと私たちに言ったのは何故か」と詰問。
 高村氏はこれに対し、「浅川の『大矢氏は麻雀や野球で怪しい部分があるから、呼ばない方がいい』という意見に従っただけ」とあくまで自分の意志ではなかったことを強調した。
 高村氏の質問の焦点をはずした返答や的を射ない説明に、会員らは怒りを隠さず、「デタラメを言うな!」「嘘ばっかり!」と怒号が飛び交う一幕もあった。
 新執行部は次の通り。 会長=永田淳、副会長=大矢進貞、西田ロッケ、監査=白又孝範、洲藤カオル、渡辺茂、補充監査=鍔本フジオ、書記=行徳ミルトン、馬鳥イネス、会計=馬鳥勲、白又アリッセ(第2)、理事=亜父祖ヨシアキ。

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