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東西南北

ニッケイ新聞 2010年3月3日付け

 09年12月21日にサンパウロ市のリヴラリア・クルツーラで、野球のバットで頭を殴られ、72日後の今も昏睡状態のデザイン専攻学生、エンリッケ・デ・P・ペレイラさん。面会時間に間に合うよう、退社時間を早めた父と、休暇をとって付き添っていた母は、昏睡からさめる可能性は少ないと言われても、息子が目覚めるよう、声をかけ、音楽を聞かせる。加害者を恨んでも息子は回復しないと、親戚にも犯人の事は記憶の底に沈めてくれるよう求めた両親。カウ・パレードに出展されたエンリッケさんデザインの牛の写真をアルバムに貼り、息子の目覚めを待つ日々は続く。
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 リオ市のペドレイラの丘を支配する麻薬密売者達に奪われた車を取り戻すために、2千レアルの支払を約束した軍警大佐が更迭された。表ざたになったり、抗争事件になる事を嫌い、金での解決を図る事が多いといわれるリオ市だが、今回の大佐は、金の引渡しの現場には、自分の部下を差し向けた。ファヴェーラに足を踏み入れた途端、小銃の集中射撃を受け即死した部下は、既に埋葬されたが、命の危険を伴う金の受け渡しに部下を派遣するなぞ、職権乱用そのもの。金で解決しようとした方法も含め、膿の絞り出しが必要だ。
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 サンパウロ市でも、12歳になったばかりの少年が、盗んだ車を乗り回して何度も逮捕される事件が起きているが、リオ市レブロンなどで車上狙いを繰り返していた青少年6人は、13歳~17歳の兄弟4人といとこ。警察への連行歴16回のグループは、車の中から盗んだ品をファヴェーラで売りさばき、麻薬を手にしていたという。彼らから盗品を受取って流していた大人は、まだ一人逮捕されたのみ…。