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TSE=灰色議員リストを公開=候補者は民事、刑事訴訟を公表
ニッケイ新聞 2010年3月4日付け
選挙高等裁判所(TSE)は2日、灰色議員リストの公表を承認と3日付けフォーリャ紙が報じた。同令を以って刑事犯罪で訴訟中の議員候補者は、TSEへ裁判の進行状況を詳細に報告することになった。
TSEは、訴訟報告書をデジタル化して、インターネットの立候補広報版に掲載する。これまで候補者は、刑事犯として立件には至らなかったことのみを報告した。または係争中のことだから、詳細説明の要はないと横着に構えていた。
ところが新たなTSE指令では、民事訴訟についても税金滞納や支払い期限を忘れた経営上の不始末や不注意をも、詳細に報告することになった。ブラジル理想国家の建設で有権者は、候補者の選択に深慮を促すというTSEの心遣いだ。
同令は別名、灰色議員リストと呼ばれる。司法官協会(AMB)は08年、係争中の議員リストを公表。今回は10月選挙から社会へ害毒を流す黒い政治献金を追放しようというもの。
政治献金は毎回、法の網を潜り手口が巧妙となっている。献金の分割先払いや、クレジット・カードによる献金などだ。政治献金は個人宛てでなく党宛てと、選挙制度を改正した。
政治献金は一度、党で一括受領し各議員へ配分となったが、どこから来て誰に渡すかは党の責任となっている。しかし、匿名の政治献金は、なくならない。
クレジット・カードによる匿名献金システムは、まだ解明されていない。TSEは今回の様子を見た上、14年の選挙で改善する考えだ。各党はインターネットに特別サイトを設けて、IT専門家によって匿名献金をコントロールしている。