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ニッケイ新聞 2010年3月4日付け

 まったく己の能力不足を認めず、まわりにせいにし続ける田中規子・百周年史農業編元調整役。記者会見の場を写真に収めようとすると、フレームからはずれ、「写真を撮らないでください! 肖像権の問題です!」と大人気ない振る舞い。JICAの公金を使って仕事をし、その進捗状況を知らせるという公的な場にも関わらず、だ。自分の立場を全くわきまえない態度にも呆れたが、もう慣れっこといわんばかりの委員会メンバーの表情が、より多くのことを語っていた。
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 「私も農業小委員会のメンバーですから」「だから…あなたはもう関係ないんです! 原稿を書いてください!」。記者会見での田中氏と森委員長のやり取りだ。調整役を解任され、1時間ほど前に会合で話されたであろう内容が理解されていないことに驚いた。コミュニケーション能力は調整役の絶対条件。百周年事業中、最重要といわれる記念事業。遅きに失した感はあるが、編纂委員会の巻き返しに期待したい。
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 日本経済新聞2日付けが「政府はブラジルが5月にも入札を予定する建設費1兆7千億円規模の高速鉄道について、新幹線方式による日本勢の受注を後押しする検討に入った」と伝えたと報じた。具体的には、国際協力銀行による円借款の供与や企業連合への資金支援だという。いよいよ日本も国を挙げて本腰を入れてきたが、仏、中、韓の追い上げも激しいと聞く。06年6月には竹中総務相が来伯してデジタル日伯方式の調印をしたが、今年6月の「移民の日」の頃には、もしかして「新幹線方式の調印」とか。