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ブルッキングス研究所=産業空洞化が進行=ブラジルはまだ先進途上国

ニッケイ新聞 2010年3月5日付け

 米シンクタンク・ブルッキングス研究所のマウリシオ・カルデナス主任は2日、ブラジルの産業空洞化を懸念し「ブラジルは国際的パワーになれるか」とする講演をヴォトランチンのゼミで行ったと3日付けエスタード紙が報じた。
 ブラジルが最近、国際外交の舞台へ登場したことで、ブラジルの実力を分析した外国人専門家による見方だ。
 ブラジルが国際的パワーになる要素はあるが、国際舞台のどの部分で活躍するのか具体性と計画性が必要。ブラジルが、農業やエネルギー、バイオ分野で貢献するなら、国際的パワーとして疑う余地がない。
 しかし、それが総合的パワーを意味するものではない。そこには、政治や文化、経済、核保有を含めた軍事での国際的影響力が求められる。ブラジルは、国際的パワーへの途上にあるといえる。
 国内の見方は今一だが国際舞台で騒がれるのは、容易に反響が得られるからだ。国際舞台での発言は、着色される。国内はゴマカシができない。ブラジルは、国外からは近代国家と見られ、国内では貧富の格差が甚だしい中南米の一国だ。
 ブラジルは先進国と途上国、後進国が混在した国。どこを取って、ブラジルというか。外国人は、ブラジルの政治で判断をする。モラトリアム国家から16年で、模範国家を立ち上げた。
 次期大統領が採る経済路線に、変化はないと思われる。変化があるのは貿易政策。特に欧米市場は難題を投げてくる。ブラジルは、得意な農業に力を入れざるを得ない状況へ追い込まれる。工業では、中国に追い抜かれたからだ。
 ブラジルが既存市場を保持するには、魅力ある付加価値をつけるしかない。それが駄目なら、国内市場を育てるしかない。輸出はコモディティ市場に専念すること。
 ブラジルの産業空洞化は、既に始まっている。BRICs諸国と比較するなら、ブラジルの一次産業化は明白。過去にノルウェーが一次産業化を試みたが、ブラジルの場合は規模が桁違いだ。
 次は、為替のハンディをどこで相殺するかだ。為替対策は、外資導入と欧米市場へのアクセスを保つこと。為替の半変動性は忘れること。外貨準備高は豊富に。市場とは浮気者で、モテるモテないは金次第ということを肝に銘じる。

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