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2日に3件の校内暴力!=生徒取り巻く社会に変化?=いじめ対策訴える学校も

ニッケイ新聞 2010年3月6日付け

 2月から新学年の授業が始まり慣れも出始める時期、サンパウロ州とバイア州の学校で2日と3日に3件の傷害事件発生と4日付エスタード紙が報じた。
 2日の事件は、バイア州サルバドールの州立校生が、休憩時間に校舎外から打ち込まれた銃弾を腕に浴びたもの。負傷した生徒は病院で手当てを受け、当日の授業も中止されたが、現場にいた生徒達は、校舎の外には複数の男性がおり、他の生徒にも銃を向けていたと証言しており、警察は現在も犯人を捜査中だ。
 外部者の犯行かもしれず、厳密には校内暴力と言えない可能性もある事件が関係者を不安に陥れた翌日、同じサルバドール市で、授業中職員室に呼び出された生徒が教室に戻ろうとしたのを拒んだ教師が、生徒がカバンに持ち歩いていた包丁で刺されるという事件。
 4日のテレビニュースでは、首筋のガーゼも痛々しい男性教師が「長年教師として働いてきたが、こんな事件は初めてだ」と述べる場面を報じると共に、当該教師だけではなく、周囲の教師達にも恐怖心拡大とレポーターが報告した。
 また、3日にサンパウロ州マリリアの州立校で起きた事件は、休憩時間に手製の爆発物が爆発し、15歳の生徒二人が腕や顔にケガをしたもの。爆発物を持参したとみられる生徒は4日間の自宅謹慎を言い渡されたが、捜査の結果次第では退学処分となる可能性もある。
 事件が起きた州立校では昨年も爆発事件が起きており、警察では、爆発物製造に加担した事が判明すれば、親の刑事責任も問われるという。
 今回の様な危険度の高い事件は氷山の一角で、09年の初等教育最終学年(8年)生向け調査では、調査前月に校内でケンカ、またはケンカを見たと答えた生徒が、サンパウロ州で13・3%、バイア州で12・7%。サンパウロ州では校内での暴力事件のせいで、1日以上学校を休んだ生徒も6・5%いた。
 他方、教育者に懸念拡大中なのが、肉体的、精神的被害も生む〃いじめ〃の問題。ポ語に該当語がなく英語(Bullying)を使う事が多いが、楽観的、開放的が看板だったブラジルでの〃いじめ〃蔓延は、従来の様な安全確保だけで済まない問題の存在も示唆している。