ニッケイ新聞 2010年3月6日付け
ルーラ大統領は4日、11日行われるチリのセバスチアン・ピニェラ新大統領の就任式を、イデオロギーの大きな違いを理由に欠席する意向と表明したことを5日付けエスタード紙が報じた。チリは軍政の終焉後、初めての中道右派政権の誕生とされる。
ブラジル政府は、チリ政府から3度も就任式参席の確認を受けたが、最終的に欠席を決めた。チリ政府は、就任式は被災者家族の状況をおもんぱかって簡単に済ませる予定。チリでは、まだ二次余震が続いている。
外交上の慣例として礼を失することを承知の上で、マスコミにはカンクンで行われた中南米カリブ首脳会議の折り、両国の政治姿勢が大きく異なることを認識し、無用な摩擦を避けるためと辞退理由を説明した。
ルーラ大統領は、チリ地震のほとぼりが冷めてから、改めて同国を訪問することを通知した。それから政治姿勢の違いやイデオロギーの相違を、落ち着いて話し合うというのだ。