ブラジル・コスト=国産工機は壊滅状態=作るより輸入が儲かる
ニッケイ新聞 2010年3月9日付け
工作機械製造協会(Abimaq)は7日、数々の不利な要因を合わせたブラジル・コストと呼ばれるものが、平均で製品価格の36・27%を占め、国際競争力を著しく弱めていると発表したことを8日付けエスタード紙が報じた。
これは米独製品に比較した場合だが、それにレアル高を上乗せすると43%になる。このコストは原料輸出を増やす傾向をつくり、付加価値の高い工業製品輸入に拍車をかける。同じ製品をブラジルで作るより、ドイツで作ったほうが36・27%安上がりになることを意味している。
ブラジル・コストは誰もが知っているが、その影響は殆ど知らない。その一つが、資本コストだ。ブラジルの経営者は、運転資金に世界平均より7・95%高い金利を払っている。そのためメーカーが入手する原料資材は、欧米より18・57%割高になる。
他に、付加コストとして控除対象がない税金(2・98%)や福利引当金(2・84%)、物流コスト(1・90%)、管理コスト(0・36%)、投資コスト(1・16%)、エネルギー・コスト(0・51%)がある。
さらに外部で部品を組み立て、最終工程を調整する企業は、工程間のしわ寄せをかぶるリスクがある。ブラジル・コストを中国と比較するなら、2倍強になる。中国コストには、世界の国々が頭を抱えている。
ブラジル・コストのため、国産するより、製品を輸入し再販するほうが有利という状況になっている部門では、往年の代表的機械メーカーの中にも、中国や台湾から製品を輸入し、顧客筋に面目を保っているところが出てきている。
ブラジルの機械製造業は、6カ月以内に機械輸入業に商売替えしそうだという。国産の工作機械は高くて売れないが、中国製なら飛ぶように売れると元メーカーがいう。手を組んでいても、儲かるというのだ。