伯米貿易戦争=報復に米の反応なし=政府はアメとムチで対応
ニッケイ新聞 2010年3月11日付け
米国に対する報復関税は穏便にことを図る方針であったが、米政府の反応がないため政府は9日、さらに知的所有権とロイヤリティの支払いに踏み込む方針を明らかにしたと10日付けエスタード紙が報じた。
ホワイト・ハウスのフロマン国際経済担当官は9日、ことを荒立てたくないことを表明。しかし、米政府では従来路線と異なる計画案が出ていないという。具体的には4月、カーク米通商代表の訪伯を以って伯米交渉が始まるようだ。
報復関税は4月7日、実施が予定されている。その前に事前交渉があるのか、米国の意向は不可解であるとジョルジェ産業開発相は述べた。
米国綿栽培に対する補助金に始まった伯米係争だが、ブラジルは円滑な商取引を願い、報復など頭になかった。だから政府は、話し合い解決を希望している。
米政府は、WTO(世界貿易機関)裁決に代わる代替案を何も提示していない。これは米政府案が、議会の承認を得られないで、狼狽しているものと思われる。議会が綿補助金の減額に、難色を示しているからだ。
イタマラチ宮は、米国の一時的な暫定案でも譲歩する気持ちでいる。しかし、産業開発相は補助金の削減に固執し、譲歩の意向はない。これには、輸出金融や憲法改正も掛かるという。
産業開発相は、報復の強硬姿勢を保っている。長いWTO裁判で獲得した勝訴であって、ブラジルの報復権にものをいわせる考えのようだ。
一方、ステファネス農相は国が貿易で天下分け目の戦をしているとき、パンの価格調整を要求するのは、一種のテロ行為だと非難した。米国産小麦に30%の課徴金が課されることで、一部のパンが店先から消える。
ピンチはチャンスという。高級品の米国産小麦がなくても、庶民は死なない。国産小麦や亜産小麦がある。品薄の米国産小麦で金儲けを企む者がいるからだと、農相が批判している。
フィナンシャル・タイムス紙は、伯米貿易戦争が嵐の前の静けさだといっている。他紙も同件を一面で扱っている。