ブラジル地理統計院=09年度GDPはマイナス0.2%=実質的ゼロ成長に=終盤の景気回復が慰め=長期的に緩やかな減速
ニッケイ新聞 2010年3月13日付け
ブラジル地理統計院(IBGE)は11日、09年度GDP(国内総生産)をマイナス0・2%、過去17年で最低であったことを発表と12日付けフォーリャ紙が報じた。世界恐慌の嵐一過後の09年は、ルーラ政権にとっても最悪の年で、景気後退よりも景気停滞が懸念された年であった。金融危機最悪時の08年終盤は、投資と消費が滞り、流通量枯渇で経済活動を直撃、09年度GDP激減の原因となった。しかし、09年終盤から景気が回復、年率6%の勢いで息を吹き返している。
GDPマイナス0・2%は1992年、毎月20%のインフレが荒れ狂ったコーロル政権当時の水準。しかし、09年末は回復の兆候を見せ、庶民に明るい希望をもたらしている。GDP名目総額は、3兆1430億レアルとなった。
09年度経済は〝失われた一年〟といえる。しかし、終盤から様相は変わり、第4四半期は前期比2%増、前年同期比4・3%増の勢いで経済は鼓動している。
09年度経済を回顧すると、クレジットの激減や国際需要の落ち込み、産業界を包む悲観論で弔いの雰囲気であった。そんな中、自動車や生活家電への減税と公立銀行のローン振る舞いで低所得層の需要をも喚起した。
金融危機の影響はサービス部門の2・6%増を除いて、工業部門が5・5%減、農業部門が5・2%減となった。特に輸出は10・3%減、輸入は11・4%減。輸出向け副原料の輸入も、大きく減っている。
工業部門の落ち込みは、08年が前年同期比27・3%減。09年に25・4%減。同部門の投資も08年の18・7%から09年16・7%へ後退。これは、ブラジル工業の衰退を物語っているようだ。
反面サービスと家庭消費が、経済の中で重きをなした。10年は政策金利の引き上げが噂されるが、それでも経済は顕著に回復し、11年は見るものがあると市場関係者が予測している。
カルドーゾ前政権の平均経済成長率は2・3%、ルーラ政権は3・6%という見方がある。前政権の第一期目は2・5%。第二期目はマイナス成長。その点、ルーラ政権は金融危機を辛うじて克服したという。
総じて言えるのは、ブラジルの経済成長率が長い目で見て、緩やかに減速すること。09年終盤の活気は、ローンの投入と在庫整理というカンフル剤の投与によるもので、体力による活力ではないという見方だ。