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ニッケイ新聞 2010年3月17日付け

 「古典を始める若い人が増えてきました」と、さんしんの日実行委員長の知念直義さん(野村流古典音楽協会ブラジル支部前会長)。琉球民謡を始める若い日系人は百周年の前後から目立つように感じていたが、琉球古典音楽の愛好者減は深刻で「去年まではやめようかと思っていた」。ところが昨年ごろから、民謡愛好者の中から古典を始める人が増えてきたそう。民謡は取っつきやすいが、やはり突き詰めると古典の世界に入っていくということか。知念さんは「未来が少しは明るくなった」と笑顔。
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 静岡文化芸術大学(浜松市)の学生、林ケンジさん(22、サンパウロ)が、17日にあった卒業式で374人の総代として、謝辞を読んだ。読売新聞などによれば、林さんは三世。2歳で訪日後、一旦帰国。8歳で再訪日。一般受験で合格し、同校初のブラジル人学生となった。自身のルーツに悩み、いじめられたこともあるが、両親の勧めで進学を決めた。「自分が謝辞を読むことで、同じような境遇にあるブラジル人の子供や親にメッセージを発信できれば」。4月からの就職も決まっている。ブラジル人としての誇りを胸に、日本社会で堂々と活躍してほしいもの。
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 12日から始まる第82回秋の蘭展。案内に訪れたサンパウロ蘭協会の松平会計は、「3日間毎日来てくれる人もたくさんいます」と話す。中島副会長によれば、〃待ちかねて〃事前の問い合わせも多いそうで、毎回1万人以上が訪れるという人気の高さをうかがわせる。同協会の正会員は現在80人ほど。以前は駐在員の夫人で参加する人もあったが、現在ではあまりないようだ。進出企業の増加で駐在員関係の入会が増えれば、さらに賑やかになるかも。