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環状線南部27日に開通式=サンパウロ市の交通渋滞は12%減?=不満噴き出し通行遮断劇も

ニッケイ新聞 2010年3月18日付け

 セーラサンパウロ州知事にとっては、辞職前に残された数少ない宣伝の場でもある環状線南部の開通式が27日に迫っている。
 14日付伯字紙によると、レージス・ビッテンコート道からマウアまでをつなぎ、イミグランテス道ならびにアンシエッタ道とも交差する環状線南部工事は、地下鉄4号線2駅同様、セーラ氏自身が式を執り行えるよう、完成を急がせているもの。今も工事中の部分があるが、17年かけて検討され、50億レアルを投じた一大工事だ。
 これら3街道から環状線に出入りする6カ所に料金所が設けられ、各街道に移動する時点で通行料を払う事になるが、それ以外は、途中で通過する7市へのアクセスは出来ない上、ガソリンスタンドもないというのも環状線南部の特徴だ。
 一方、従来はサンパウロ市を横切って海岸方面に向かっていた車が、サンパウロ市には入らずに目的地に行く事が出来るようになるため、期待されているのが、サンパウロ市南部を中心とした交通渋滞緩和。ブルックリンやイタインビビ、カンポ・ベロ地区などでは、渋滞緩和は一層顕著となると期待されている。
 エスタード紙には、全市で12%程度と予想される渋滞緩和は、トラックなどの大型車両減少を中心としたもので、バンデイランテス大通りでの大型車は37%、マルジナル・ド・ピニェイロスでの大型車は43%減るとの予想も出ている。
 ただ、環状線開通による効果は、車増加で相殺されるとの予想も出ており、フォーリャ紙は、サンパウロ市では所により、通勤や通学に要する時間は4・9%も増大するとのデータも掲載している。
 飽和状態の市内交通はサンパウロ市民の不満の一つで、M・ボイ・ミリン地区では16日朝、通勤、通学が渋滞で長時間に及び、バスの本数も少ない事などを不満とする住民が、サンパウロ市方面への交通を5キロにわたり遮断したと17日付伯字紙が報じた。
 5時45分から11時40分まで続いた抗議行動では地下鉄延長を求める要望書も提出。グローボ局のインタビューに対し、カサビサンパウロ市長は、ジャルジン・アンジェラ~サントアマロ間はモノレール入札中で、地下鉄やバスの座席も増やすと返答したという。