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製鉄用木炭に規制=13年以後は植林で自給を

ニッケイ新聞 2010年3月18日付け

 ミンク環境相は今週中に、セラードの森林伐採管理が困難なことで、製鉄所での木炭使用を13年までとする法令案をルーラ大統領に提出すると17日付けエスタード紙が報じた。それ以後は、植林による自家製木炭のみを使用する。
 環境省原案によれば、年間5万立方米以上の薪と2万5千立方米以上の木炭を消費する製鉄所に対し、自然林を伐採して作った木炭使用を禁じる。現行法では、年間10万立方米以上の薪を消費する製鉄所のみが制約された。
 従って現行法に制約されるのは、ごく一部の製鉄所に過ぎなかった。13年以後は自家製木炭のみの使用となり、違反すると罰金と銀行融資の停止が起きる。自然林伐採が認められる小規模の土地所有者も、木炭販売の対象が、ピッツアリアなどの零細企業のみに限られる。
 植林を行っていないか、独自の人工林をもたない製鉄所は、植林業者から薪や木炭を購入するしかない。セラードは地球上の植物生態系5%を保護し、豊かな草原地帯を育てる。それが今、絶滅の危機にある。
 生態系絶滅の危機から救うため政府は、伐採管理と森林保護のスタッフを編成し、天然資源の価値を見直す。コペンハーゲン環境会議で、ブラジルは20年までにセラードの森林伐採を40%減らす約束をした。
 また環境省スタッフは、持続可能な自然管理を奨励するため、20郡を指定する法令を草案中。これらの郡は、02年から08年の間だけで85平方キロにわたるセラードの18%を伐採した。これ以上の伐採許可は、出せない地域だ。
 また違法伐採を即時発見する監視システムを広範囲に設置する法令が、検討されている。環境省は、セラードが環境規制に従えるよう、農業融資の供与指定地域とするように財務省に要請する。同地域は、穀倉地帯となる可能性があるからだ。