ニッケイ新聞 2010年3月18日付け
カプセル剤
カプセル剤は、粉形薬をゼラチンのカプセルに入れ、苦味や臭気を感じないように工夫したものです。それ以外の作用として、カプセルは一部だけが胃で溶け、残りの一部は腸で解けるように工夫され、薬の効果の持続時間を延長し、服用の回数を少なくするように、便宜をはかっています。
しかし、カプセルの形から、のどに詰まらせるのを恐れ、わざわざ開けて、散剤にし、苦しいおもいをしながら服用する人たちを見かけますが、これは間違った服用法です。
カプセルには苦味や臭気が無いだけではなく、治療効果を高め、胃腸傷害など防ぐ働きがあるからです。
舌下錠
舌下錠は舌の下側に入れ、口腔粘膜から吸収されて、効果を現すように工夫された錠剤です。胃や腸をとおさずに、直接血液中に入り、特に効果を速めにもたらす必要がある場合に用います。
一番適用されるのは心臓冠動脈血管拡張剤などです。
トローチ錠
トローチ錠は口腔やのどの炎症に用いられます。口腔で完全に溶解するまで薬物の効果を得られるので、完全に溶けるまでには水を飲むとか、食べてはいけません。
外用剤
医師は薬を処方する際、大幅に2つに分けます。それは内服剤と外用剤です。
内服剤は錠剤、シロップ剤やカプセル剤などです。
外用剤はいろいろな注射が主で、皮膚や粘膜など、体の表面に塗って使用される薬です。
粘着テープ剤は、テープ内のクッションのような部分に薬を浸透させ、長時間効果を得られる仕組みになっています。初めは関節痛や筋肉痛を鎮めるために、多く用いられました。
現在では、このようなテープを胸に貼ることで、喘息や狭心症の治療用として使用されています。テープに使用できる薬は限定されます。薬によっては皮膚から吸収されにくいのが多く、もしくは粘貼付剤アレルギーが現れ、使用中断するケースが少なくないからです。
もちろん優位もあります。たとえば、使用中に効果が強すぎた場合などは、すぐテープを剥ぐことができるなど融通がきくことです。
外用剤で一番多く使用されているのは筋肉注射、静脈注射と皮膚下注射です。外用剤は主に、高熱、激痛、急性感染症などで、即座に強い効果が必要な場合に用います。内服剤の成分が吸収されるのは胃腸で、その後血液中でタンパク質によって、病巣まで運ばれるため、時間がかかります。そのため薬効時間などの見通しがつかない場合の手段としては、注射を選択しなければなりません。
また、脱水症、極度の衰弱、激しい食道通過障害、ひっきりなしの吐き気や嘔吐などの救急状態では、水分や電解質補充を目的として、ブドウ糖、アミノ酸など含まれた静脈注射や点滴などを用います。
私たちの中には、静脈内注射の使用法を、少し目的外れの使い方を行っている人もいるようです。たとえば、単なる身体の疲れ、わずかな胃気分有害や長引く風邪などの場合に、ブドウ糖を含めた静脈注射などを薬局で希望すると、薬局の薬剤師はやむを得ず行います。
最近は衛生法の厳しい規定が設けられ、静脈注射などは、主に病院でだけで行うように限られました。そこでは、患者さんらは点滴などが好みで、病院で応対された証拠のように受け取っています。患者さんから聞く「点滴まで受けました」の意味は、大いに喜ばしい、満足した診療を受けたことを示します。
しかし、多くの症状が、一つまみの食塩か一茶さじの砂糖で解決できることなのに、点滴を受けるとは、大げさではないかと思い始めています。(つづく)