ニッケイ新聞 2010年3月18日付け
ラテンアメリカ最大の留学フェア「サロン・ド・エストゥダンテ2010」がリオ、ポルト・アレグレ、フロリアノーポリス、クリチーバ、サルバドール、サンパウロの6都市で開催され、18カ国から約200の教育機関が参加した。サンパウロ市では6、7の両日にコンソラソン区のサンルイス高校で行われ、約2万人の学生が足を運んだ。日本からは、文部科学省の平成21年度「国際化拠点整備事業(グローバル30)」に採択される東京大学、早稲田大学、上智大学のほか、立命館アジア太平洋大学の4大学が初めて参加し、日本への留学をアピールした。
上智大学では同事業の採択を受け、短期や1年間の留学だけでなく、外国人学生の正規の学部入学を広く受け付けている。全ての学部への入学が可能。
同大学のジャン・クロード・オロリッシュ学長補佐は、「ブラジルの高校や日本語学校と繋がりを深めたい」と国際化を推進、「奨学金制度や寮設備をさらに充実させ、外国人学生の受け入れ環境を整えていきたい」と力を注ぐ。
東京大学では現在、学生の約1割2700人が外国人学生。そのうちの8割が修士課程、博士課程に従事している。
同大学でも、同事業に採択され大学・大学院への正規入学を推進、2012年度からは大学入試で学部定員に外国人枠が設けられる。国立大学では、初の試みだ。
同大学の川野辺創国際企画グループ長は、「日本語だけでなく、日本で専門性を高めてもらいたい」とその意図を説明する。
各ブースで熱心に説明を聞いていたのは、松原ブルーノさん(22、三世)と山下パトリシアさん(24、三世)。
「一緒に日本へ留学したい」と留学先を探す二人の選ぶ決め手は、大学名、場所、日本語コースの質だそう。「今日は多くの情報を得られた」と満足そうに話していた。
同フェアの発表によれば、08年3月から今年1月までに留学したブラジル人学生は、16万3千人に上る。