ニッケイ新聞 2010年3月19日付け
17日発表の雇用/失業総合台帳(Caged)集計によると、2月の正規雇用拡大(雇用者数引く解雇者数)は、前年同月の9179人を大きく上回る20万9425人で、2月としては1992年の集計開始以来最高と18日付伯字紙が報じた。従来の最高は08年2月の20万4963人だった。
今回の集計では、工業や商業、サービス業での雇用拡大が2月としての新記録だった他、史上初の全業界での雇用拡大を記録。2月の雇用を牽引したのは、カーニバルや休暇の影響を受けたサービス業8万5607人と工業の6万3024人。
工業での雇用拡大は、減税処置などの影響で過熱した消費を反映し品薄となった在庫補充と、繊維や靴などの工業製品輸出が回復の傾向を見せ始めた事が原因。ルピ労働相は、雇用拡大は今後も続き、今年は工業界にとり史上最高の年となるとの見方まで表明した。
ただ、09年4月以降の工業界の雇用拡大が29万170人になったとはいえ、08年11月~09年3月の雇用縮小50万1390人を埋めるには至っておらず、金融危機以前の状態まで回復したとは言えない。
それでも、金属、機械、梱包、電化機器、通信機など、09年2月には雇用が3万9600人縮小した分野が、2月に2万4800人雇用拡大した事は明るい材料だ。
また、非正規雇用が多い農牧畜業では、08年10月以降の雇用縮小17万4千人に対し、2月には3976人の正規雇用拡大。この数字は2月の平均拡大値1万2500人より小さく、過去10年の雇用は平均1万3千人拡大なのに1万682人に終った商業共々、期待値を下回った。
地域別では、サンパウロ州の8万人余りを筆頭とする南東伯が12万562人、南伯4万9539人、中西伯2万6058人、北伯1万1120人だが、この時期は雇用縮小が通例の北東伯で2146人の拡大が特筆される。
労働相は、1月も同月としては新記録の18万1419人、過去12カ月では147万人の雇用拡大が起きたとし、政府主導の住宅計画を含む建設部門など、今年の雇用拡大は200万人超との見通しを明らかにした。