ニッケイ新聞 2010年3月20日付け
軍政、圧制下の疑問解明への動きは、ブラジル以外の国でもあるが、一筋縄では行かない事も多い。例えば、コロンビアのボゴタから200キロのマカレナという村に、2千体もの無縁仏が葬られている事実は、大手新聞に流れる事はまずないという。ナチスのホロコーストやカンボジアのポル・ポト政権、南米でもピノチェト政権下の虐殺などは有名だが、暗黒の歴史を闇から闇に葬りたい人達はブラジルにも多い筈。ブラジルでは、加害者側も賠償話があるなど首を傾げる部分があるが、他の諸国では、加害者側は裁判にかけられ、裁かれるのが普通だという。
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1月のハイチ地震後、国内では生きていけないと国外脱出を図ったハイチ人22人が、17、18日にボリビア国境に近い南マット・グロッソ州コルンバーや南マット・グロッソ州ミランダなどで身柄を拘束された。パスポートは持っているが、入国手続きを行った形跡はなく、陸続きの不法入国。麻薬密売にも加担しているのではとの問いには、はっきりと無関係と答えた家族もいたようだが、22人には163レアルの罰金と3日以内の国外退去が命じられた。とりあえずボリビア移動という人々のその後は?
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サンジョゼ・ド・リオ・プレット~ジョセ・ボニファシオ間で、65歳以上の乗客の乗車制限を行ったとしてバス会社のセーリコ社に対し、サンパウロ州地裁が、20万レアルの罰金を申し渡した。市内バスや隣接の町を結ぶバスは乗客の10%までは高齢者の無料乗車を認める事という規則があるため、5人以上となった時点で乗車制限をしたのが問題となった。裁判所は10%を超えても乗せるべきだというが、そんなことをしたら全員が無料で乗る事にもなると会社側は不満そのものだ。