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レジストロ=柔道期待の星が3人=和田和夫選手が汎米に=地元から2人目の快挙

ニッケイ新聞 2010年3月20日付け

 レジストロ出身の和田吉村和夫セルジオ選手は、先日グアルジャーで行なわれた汎アメリカン柔道選手権大会の出場権をかけた大会で9試合に全て一本勝ちするという快挙を成し遂げ、見事優勝し、今年の9月にアメリカのオルランド市で行なわれる汎アメリカン柔道選手権大会の20歳以下55キロ級に出場することになった。
 和田和夫選手は、国際大会でも優勝している強豪を次々に倒し、優勝戦はブラジリア代表のイタロ・ロペス選手と戦い一本勝ちした。
 柔道でブラジルを代表して汎アメリカン大会に出場するのは、レジストロ出身の選手としてはリオデジャネイロで開催された汎アメリカン大会で銀メダルに輝いたダニエリ・ユリ・バルボーザさんに続いて2人目。彼女は北京オリンピックにも出場している。
 このグアルジャーの大会でもう一人、レジストロ出身のエドワルド・バルボーザ選手も66キロ級で2位となり注目を浴びた。エドワルド選手は幼少の頃家族と共に日本へ渡り、ARJU(レジストロ柔道協会)で柔道を教えていた父エジソン・バルボーザさんが浜松で経営している道場で技を磨いた。09年4月、日本から帰ってきた。ダニエリ・ユリ選手の弟だ。
 和田和夫選手は1991年3月15日に和田健治さんと吉村さつきマリアさんの子としてレジストロで生まれた。5歳から同柔道協会で練習を始めた。
 小学校はブラデスコ校で高校1、2年はアンデルセン校、高校3年は州立ファビオ・バレット校で学んだ。勉強、柔道の練習で忙しい中、文協の仲間と太鼓を叩くのが好きだった。
 母のマリアさんは今回の和夫君の快挙に次の様に語った。「息子が汎アメリカン大会に出場する事が決定し、嬉しく誇りに思います。これまで14年間練習をし、頑張ったかいがありました。これもARJUの先生方、役員、大勢の協力者のお陰と感謝いたします」。
 和夫君の成長を見守ってきたARJUの指導者、中沢ルーベンスさんは「和夫君の活躍はARJUだけでなくレジストロの名誉です。ここで生まれた3人の柔道選手がブラジルを代表する立派な選手に成長したことは、柔道のみならず他のスポーツ選手にも励みになると思います」と語った。
 ダニエル・ユリ、和田和夫、エドワルド・バルボーザの3選手は昨年まで在籍したサンカエターノクラブからバイア州のサルヴァドール科学技術大学に移籍した。そして今年ブラジルを代表して数々の国際大会に出場する予定である。
 小堀ネウザARJU会長は次の様に語っている。「ARJUは、鈴木寅一郎(とらいちろう)さんや小川信夫(おがわのぶお)師範が58年前、蒔いた種が今実っています。今まで大勢の方々がボランテイアとして親身になって尽くして下さったお陰と感謝しています。又、08年にはスポーツ省から補助金を頂くことが出来ました。レジストロ市役所や商社からも援助して頂いたのを感謝いたします」。(金子国栄(くにえい)さん通信)