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援協総会=ブラジル社会に貢献を=総予算は2億6千万レ=文協ビル=事務局の売却を承認=森口会長「今年は厳しい年になる」

ニッケイ新聞 2010年3月23日付け

 サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)は20日午前、『第51回定期総会』を昨年8月に落成した社会福祉センターで開いた。開会時の出席者は75人、委任状は112。総予算は昨年を約8千万上回る2億6千万レアルであることが報告された。同センターが今月から稼動し、創立から51年目を迎える援協。慈善団体としての活動を強化するため、定款改正も承認された。森口会長は、「ブラジル社会に対する責任」を今年の課題として強調した。

 昨年亡くなった会員、関係者に一分間の黙祷を行った。
 森口会長はあいさつで、創立50周年を迎えセンターの落成を祝った昨年を「恵まれた年」とし、関係者の尽力に感謝の言葉を述べる一方で、「政府に認められた慈善団体として活動していくのは厳しくなる。移住者支援で始まった援協だが、積極的にブラジル社会に寄与していかなければならない」と支援、協力を呼びかけた。
 菊地義治副会長から、福祉部や傘下諸団体(サントス厚生ホーム、カンポスさくらホーム、スザノ・イペランジャホーム、あけぼのホーム、やすらぎホーム、奄美事業所、総合診療所、日伯友好病院)の現状、活動内容が報告された。
 決算報告では、収支ともに1億8458万9974レアルであることが報告され、監事会からの承認もあった。
 10年度事業計画では、各機関の事業・改修計画が発表され、基金や本部の助成金1236万8千レアルが充てられる。例年通り、約70の運営費捻出のためのイベントや巡回診療、各種セミナーが催されることも確認された。
 総合予算案は、2億641万1千レアルであることが発表、拍手で承認された。
 総会後は原沢和夫元会長の乾杯の音頭でカクテルパーティーが開かれ、援協51年目の新たな門出を祝う参加者の声で溢れた。

定款改正案も承認

 定期総会上、定款改正などに関して臨時総会が開かれ、大原毅常任理事(法務委員長)が司会を務めた。
 本部の住所(サンジョアキン街)から、センターのあるファグンデス街への変更、学術会議やシンポジウム、慈善イベントなどの社会的事業を公的機関と行うことが主な変更部分。
 反対意見はなく、改選案を盛り込んだ定款が登記される予定。
 なお、現在1種類のみの会員制度を、協力会員(従来同様)、普通会員(本人の意志により、投票・被投票権を放棄したもの)、功労会員(功績から功労会員として認められたもの。選挙・被選挙権も持たない)の3種類とする案が挙げられた。
 「どういう理由で3種類に分けるのか」などの質問が上がったが、大原理事は、「1万5千会員のうち、総会参加数は100人前後。総会通知の郵送代削減の意味もある」と理解を求めた。
 現在、文協ビル5階部分にある事務局を売却することに関しても承認された。