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ブラジルはサービス立国へ=新しく開かれた道=GDPの68%を占める産業=ブラジル経済の新けん引車に

ニッケイ新聞 2010年3月24日付け

 ブラジル地理統計院(IBGE)は22日、サービス産業が逞しく発展し、ブラジル経済のけん引車となる兆候があると発表したことを23日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。期待した農業生産は物流の不備と農政不在で飛躍が望めず、農産加工は足踏み状態にある。09年度GDP(国内総生産)の68%に当たる1兆8500億レアルは、サービス産業の成果だ。サービス産業は年々大きく成長し、工業や農業に代わって、新しいブラジルの産業として登場している。

 07年に66%だったサービス産業は年々、ブラジル経済に占める比重を強めている。理由は産業の7部門に関連し、益々時代の波に乗っているからだ。過去数年の成長率は、横ばい状態の工業のそれを遥かに凌駕している。
 工業部門が09年、前年度比2・6%落ち込む中、サービス部門は5・5%伸びた。08年の工業は前年度比4・4%増、一方サービスは4・8%増。それには金融業の取次ぎや情報サービス、携帯電話など時代の産物があったからだ。
 サービス部門には、新しいサービスが系列的に生まれる。09年度のGDPの落ち込みが、前年度比マイナス0・2%位で済んだのは、サービスの奮闘が辛うじて支えたのだ。
 年間成長率が工業2・5%、商業5・2%に対しサービスは6・6%となっている。小零細企業にとってサービス産業は、打って付けだ。同企業職員の所得にも大変影響をしている。
 サービス部門がブラジル経済の68%を占めるとはいえ、未熟な部分があることは否めない。それは、不動産や医療、教育、レジャーなど社会の近代化を促進するのもサービスと思ったら、とても広いからだ。
 W杯サッカーや五輪に関わるサービスも計算に入れるなら、ブラジルのサービス産業は質的レベルが低い。関係者を教育する予算が必要だ。ブラジルは観光地として世界で36番目にランクされ、年間500万人の観光客を迎える。
 ブラジルは観光に対する根本的概念が低く、観光のインフラに関心も薄い。サービスをブラジルの主要産業とするなら、W杯サッカーと五輪で目覚め、インフラづくりに努めることだ。