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中銀総裁=ブラジルは内需で対抗か=人民元切り下げでも

ニッケイ新聞 2010年3月24日付け

 中央銀行のメイレーレス総裁は21日、メキシコで開催された米州開発銀行(IBD)の総会で「中国が人民元の切り下げを行っても、ブラジル経済は、先進諸国より抵抗力がある」と述べたことを22日付けエスタード紙が報じた。
 中銀総裁によれば、ブラジル経済は強力な内需に支えられ、怒涛のように流れこむ中国製品の輸入攻勢に耐えられるというのだ。米国は中国製品の席巻に、金融危機からの立ち直りが今一の米経済を憂慮している。
 中銀総裁は、ルーラ政権の終了まで現任務を継続するか分らないと表明。場合によっては議会選挙に立候補するため、現職を辞任する可能性があることを示唆した。
 総裁辞任の有無は、同IBD年次総会でブラジル経済の行方を論じる上で議題に上がった。総裁は出馬決定までの期限は、4月3日となっていることを報告した。
 もしも中銀総裁が現職に留まるなら、年末まで選択肢はないという。辞任するなら、政局を分析し何を狙うかを考える必要があると表明した。ロウセフ官房長官の副候補の呼び声もあるが、情勢は流動的だ。
 外紙の関心は、11年に中銀の独立性が合法化されるかにある。それは国会が審議することで、総裁が言及することではないと質疑を断った。
 個人的には国際決済銀行(BIS)の執行部メンバーとして「長い目で見れば、中央銀行は通貨政策の調査と分析で正しい判断を下すため、合法的な独立機関であるべきだ」という。