ニッケイ新聞 2010年3月24日付け
「世界水の日」の22日にリオ市などで行われた国連発表によると、世界では汚染水などが原因の下痢で死亡する人が220万人おり、水質管理の不足故に死亡する5歳以下の子供は少なくとも180万人。生活廃水中の窒素やリンなどが肥料になり、処理済みの水再利用は健康面でも経済面でもメリットありとの報告は、サンパウロ州水道局の下水処理場での上質の肥料無料配布の報道などを思い出させる。03年のデータには、ジャガイモ1キロの生産に必要な水160リットルに対し、牛肉1キロ生産には1万6726リットルの水が必要などの調査報告も。限られた資源を賢く使うのは人間の責任だ。
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イザベラちゃん事件の公判で傍聴を希望した人の中には、犯罪により家族を失った人の姿もあったと伯字紙。日系コロニアには忘れ難い太田イーヴィス君殺害事件もその一つで、太田夫妻は、同種の事件が起きる度、遺族を慰め、不正と闘う姿勢を見せ続けている。悲しみや苦しみを通った人だからこそ出来る感情や経験の共有、分かち合いの姿は今回の公判でも。
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次期大統領選出馬のための辞職直前まで、竣工式その他の行事目白押しのセーラサンパウロ州知事やジウマ官房長官。サンパウロ州では地下鉄工事の遅れが拡張計画そのものを狂わしているとの報道もあり、セーラ知事の計画をも狂わせそうだが、08年完成予定が延び延びとなっていたファリア・リーマとパウリスタの2駅は月末か4月始めに竣工見込み。
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パラー州に建設されるベロ・モンテ水力発電所の入札は4月20日の予定だが、流域では社会的影響などを訴える人達が抗議の声。一度作ったら逆戻り出来ないものだけに、電力や経済のみに視点を当てた判断は…?