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MST=過激な「赤い4月」準備=近年の右派攻勢に反撃=選挙の年に異例の動き=問われる政局への影響

ニッケイ新聞 2010年3月25日付け

 通常、その活動がおとなしくなる選挙の年としては異例の、MST(農地占拠運動)による過激な「赤い4月」が準備されていると24日付けエスタード紙が警鐘を鳴らしている。ここ「最近の国内右派からの社会運動潰しに反撃」(同紙)する意味で、特別に今回は行うという。今回の大統領選挙は与野党候補の一騎打ちになる公算が高いといわれるだけに、刺激的な「赤い4月」が有権者に与える影響は大きいと予想され、大勢にどんな結果を及ぼすかに注目が集まっている。

 同紙によれば、異例の激しい「赤い4月」を準備している理由に関して、MSTリーダーの一人ジョアン・ペドロ・ステデレ氏は「選挙が近づいて右派が問題視を強め、社会運動を全滅させようとしている」ことを挙げ、それに対する反撃であると位置づける。
 とくに最高裁長官にジルマール・メンデス氏が就任した2年前から、右派からの攻撃が始まっているとステデレ氏は指摘する。「彼は国内右派の代弁者に変身し、最高裁をまるで地方市議レベルの集団にしてしまった」と嘆き、「最高裁長官の職務を使って社会運動を押さえ込もうとしている」と批判する。
 具体的には、MSTに関係する団体に政府が違法に資金援助していたことを会計検査院(TCU)が問題視し、議会調査委員会(CPI)を設置する動きがあることを、右派の動きの急先鋒として挙げる。
 ブラジル共産党サイトの2月26日付け記事によれば、5月31日に5千人を集めた社会運動全国大会開催を目指して、3~4月に州レベルの大会を開催するため、2月から準備に入っていると報じられている。この動きに同調して全国学生連合(UNE)や大学院学生協会(ANPG)による学生運動闘争行進、住民協会全国連合(CONAM)などが連動した「赤い4月」を繰り広げると同記事は予告する。
 エスタ―ド紙はロルドン・アルーダ記者の解説記事も掲載し、「ルーラ大統領の就任初年の03年には23万家族、約90万人が農地改革への期待からMSTに同調して配耕されたが、現在までに残っているのは9万家族に過ぎない。せっかく土地が与えられたのに空洞化している事実は、同運動に暗雲を漂わせている」と指摘している。
 なお、最初の「赤い4月」となった04年には103カ所の農場に不法侵入が行われた。07年には74カ所、昨年は23カ所と、徐々に減る傾向にあった。
 06年のルーラ大統領再選を決めた年もそうだったが、通常の選挙年の場合、労働者党(PT)候補や他党の潜在的な同調候補の足をひっぱらないように、「赤い4月」は控えめになっていた。

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