活発化するサンパウロ州の労働運動=教師組合=知事に抗議で逮捕4人=PT対立候補に牽制か=市警ら州職員もスト連動
ニッケイ新聞 2010年3月26日付け
大統領選挙出馬に向けた辞職まであと1週間に迫った24日、ジョゼ・セーラ州知事(PSDB)が州立病院施設の開所式で、教職員組合グループから抗議活動を受け、軍警が鎮圧して4人が逮捕されるなど、与党労働者党(PT)に関係する組合の政治活動が活発化していると25日付け伯字紙各紙が報じている。サンパウロ州市警や医療施設職員もストライキに入っており、選挙の年だけに党派活動がらみの反セーラ知事の動きが強まりそうだ。
正式に大統領選挙立候補になることを表明したセーラ州知事は、31日に辞職すると見られている。現在、最後の在任期間中に可能な限りの開所式出席の日程をこなしている。
その一つ、大サンパウロ都市圏にあるジュケリー精神病院の関連施設の開所式で、PTに関係があるサンパウロ教師組合(Apeoesp)に所属する30人が50メートほど離れた場所で笛を吹いて「約束を守らない」「買収された」と叫ぶなどして騒いた。
当日、抗議グループはセーラ州知事が乗った車に生卵を投げつけるなどしたため、軍警が催涙弾などで鎮圧し、4人を拘束した。この教師組合は34・3%の給与調整を求めて今月初めからストライキを実施している。
フォーリャ紙の取材に対し、軍警第26大隊のジョゼ・カルロス・デ・カンポス・ジュニオール司令官は「入院患者がいる病院エリアなので騒音は禁止と通告しても笛を止めなかったため」と応えている。他紙に対しても「先週知事に石を投げつけようとするものもいた。我々は慎重に警備をしている」と強調した。
エスタ―ド紙が州教育局に取材したところによれば、公立校でこのストライキの影響を受けているのは1%以下だといい、同教育局でも「同組合の政治活動は選挙活動の前宣伝だ」と認識している。市警も23日からストライキに入っており、法律上決められた最低限の業務しか遂行しない状態になっており、州医療施設の職員も今月末からストライキを予告しており、これも関連した動きと見ている。
同紙のロウダン・アルーダ記者は「労働運動に見せかけた党派行動」との解説記事の中で、「3月は通常、州政府に対する公務員の交渉時期だが、選挙年はそれが激化する傾向がある。通常は耳を貸さない為政者側に対し、この機会に乗じる。それがPTに関係した組合の活動になると、党派行動と重なり、ジルマ候補の対抗馬と見られるセーラ州知事に対して余計に激しさを増している」と分析している。ただし、ルーラ大統領自体も大学教職員組合のストライキに苦しんだ経験もあり、今後の動向は一筋縄ではないと見ている。