ニッケイ新聞 2010年3月26日付け
21日までのサンパウロ州選手権、ブラジル杯、リベルタドーレス杯の公式戦18試合で60点を挙げ、ペレが現役だった60年代を髣髴(ほうふつ)とさせる快進撃中のサントスFC。サンパウロ州選手権4強入りを逃すか否かの瀬戸際の大チームを尻目に走るチーム躍進の鍵は、〃メニーノス・デ・ヴィラ〃と呼ばれるモレッキ(腕白小僧)達だ。
10日の対ナルヴィライエンセ戦10対0、18日の対レーモ戦4対0と、ブラジル杯無失点。サンパウロ州選手権でも14日の対パルメイラス戦を4対3で、21日の対イツアノ戦を9対1で制し、4試合で27得点という数字は少なからぬ脅威。
同チームの公式サイトには、公式戦18試合で60点、1試合平均3・3点という数字は、2度目のリベルタドーレス杯優勝と世界クラブ選手権優勝を果たした1963年の、67得点、1試合平均3・52点にほぼ匹敵との記事もある。
24日のサンパウロ州選手権では、パルメイラスがリオ・ブランコと2対2の引分け、サンパウロがブラガンチーノに、コリンチアンスがパウリスタに1対0で敗北を喫し、4強入りを狙っていたパルメイラスは完全に蚊帳の外。コリンチアンスも5位転落という中で、1位、2位を走るサントスとサント・アンドレ。特に衆目を集めるのがサントスのモレッキ達だ。
英国から一時的に戻り5得点のロビーニョ始め速さが売り物のアタック陣には、15得点のアンドレと13得点のネイマール、中盤には8得点のPHガンソやマルキニョスなど、若くて得点力もある選手もいる。
ケガや反則で、ロビーニョとネイマール、4得点のウエスレイを欠く25日の対戦相手は、サンパウロ州選手権15試合で14失点と、守りの堅さで3本の指に入るボタフォゴ。同チーム相手に大量得点は困難だろうが、自信をつけ始めた若手が思い切り突っ走るのをどこが阻むかも見所となる。
ミス続きで、新天地コリンチアンスで初のブーイング(そしり)を受けながら競技場を立ち去った24日のロナウドと対照的に、エンジン全開のモレッキ達が活躍中のサントスは、サンパウロ州、全伯、南米、世界を睨むレースの真っ最中だ。