ニッケイ新聞 2010年3月26日付け
国際的な影響力を拡大し、鉄鉱石などの需要が増大している中国の製鉄会社の一つであるECEが24日、ミナス州の製鉄会社イタミナス・コメルシオ・デ・ミネリオス買収に向けた文書に署名と25日付エスタード紙などが報じた。
中国江蘇省南京に本社を構え、インドネシアやカンボジアなどにも事業を広げているECEは、従業員4500人。ミナス州サルゼードでも170人が就労中だ。
一方、ECEが買収する相手のイタミナスは、企業家のベルナルド・パス氏が統括する、創業51年のグループ企業で、ベロ・オリゾンテ近郊のセーラ・アズウ地方に、13億トンと推定される一大鉄鉱脈を持つ。植林事業なども行っている同グループだが、製鉄部門では、年間300トンの鉄鉱石を産出、精製。24日付ロイター通信によれば、鉱脈の大きさや周囲の環境から、年間2500万トンの生産も可能と見られている。
イタミナス社売却の話は、4億ドルの負債と借地料支払のためで、08年10月から手続きを開始。国際金融危機のためなかなか進まなかった売却交渉は昨年から進展し始め、今年に入って具体化したという。支払条件などの詰めは今後の交渉に委ねられている。
ミナス州と姉妹関係にある江蘇省に本拠地を構えるECEへのイタミナス売却は、ValeやBHPビリントンなど、鉄鋼大手への依存度低減を願う外国企業による吸収合併増加の一例だ。