ニッケイ新聞 2010年3月31日付け
「どこの段階で薬の相互作用はおきるのでしょうか?」
胃腸に薬が来た時点で吸収がなされ、第一段階が始まります。
それでは、わかりやすいように、一つのモデルで説明いたします。
テトラサイクリン(Tetraciclina)と牛乳の同時使用は、胃内の酸性度(pH)の変化を起こすので、胃腸の運動機能の障害のため吸収作用に影響を与えます。
吸収された薬品は血液中の蛋白質と結合し、必要な病巣まで運ばれるのです。この時の結合の瞬間に、薬と薬(あるいは食物)との第二の相互作用が発生するのです。
第三番目の段階は、代謝作用と、薬物の主に腎臓からの排泄により、薬の組み合わせにより、互いに刺激したり、効果を妨げたりするのです。
吸収を始めとし、血液内の薬分配代謝作用や排泄、この全体の段階によって、薬物の併用による有効性や逆作用が生じます。
続いて相互作用の仕組みを調べてみましょう。
薬の併用は、副作用はできるだけ抑え、少ない分量で最大の効果を目指しているのです。
薬理学の世界でも同じ目的で懸命に研究を続けています。
確かに、私たちの日常使用している薬は、世界中で効果が認められている薬だと信じています。
ただし私たちの使用法によっては、不注意や間違った服用のために、薬の効果を失っているだけではなく、大変な危険に導かれていることを知る必要があります。
もちろん、患者さんや一般の使用者だけではなく、医者の不注意や知識不足も混ざっています。
そのため、今回は細かい無用な所にもこだわり、複雑な問題と承知の上で、薬の使用方法を説明致しました。
【市販薬の相互作用】
さて、今度は皆様の日常に多く、医師の処方箋無しで購入できるいくつかの市販薬についてお話したいと思います。
薬はただ一つだけどころか、他の薬と調合された形で販売されています。
どちらの形であっても薬ですので、そのつもりで扱うのが大事です。
例としてあげるのは、現在多く使用されている鎮痛剤、解熱剤や抗炎症剤などです。
・パラセタモール(Paracetamol)
パラセタモールは鎮痛剤や解熱剤に関してはアスピリンと同じですが、抗血小板特性や抗炎症的には効率はありません。パラセタモールだけ単独に慢例使用量の服用ならば、重要の逆効果は少ないとされています。
パラセタモールの主要な相互作用
1)パラセタモールは抗凝固薬(Anticoagulante)一般の効果を潜在しますので、皮膚が赤くなったり血のかたまりなどの出現に注意することです。
2)鎮痙性剤カルバマセリン(Carbamazerpina – ex.Tegretol)はパラセタモールの肝中毒力のリスクを増加します。
3)抗生物質との併用
a)パラセタモールを抗生物質クロロミセチン(Cloranfenicol)と一緒に使用すると、クロロミセチンの中毒力を増加します。
b)パラセタモールを結核抗生剤イゾニアジーダ(Isoniazida)と服用するとパラセタモールの肝中毒のリスクを増やします。(つづく)