日系社会ニュース
ヤクルト商工=新社長に天野一郎氏が就任=福祉4団体に4万レ寄付=「コロニアへの挨拶代わりに」=貞方氏が18年で勇退
ニッケイ新聞 2010年4月2日付け
18年間ブラジルヤクルト商工株式会社の社長を務めた貞方賢彦氏(68、長崎)が勇退、先月20日から天野一郎氏(62、東京)が社長に就任した。サンパウロ市にある同社で1日午前に正式に発表、コロニアへのあいさつの意を込め、日系社会福祉4団体に計4万レアルの寄付を行った。
貞方氏は、1966年の設立当初より運営に尽力。社長就任以来、経営幹部に非日系人を抜擢するなどし、現地化を目指してきた。今後、取締役会長として同社を支える。
「皆さんの支援でやってこれた。これからも会社の発展のお手伝いをしたい」と満足げな笑顔を見せた。
77年に来伯した天野氏はこれまでに管理部門で専務などを務めた。
社長就任のあいさつで「これからも皆さんの健康生活を応援していき、少しでもお役に立てることをしたい。今回の寄付が、想像以上に喜んでいただけたようで嬉しい」と日系社会への協力姿勢を明らかにした。
やすらぎホーム(与儀昭雄経営委員長)、憩の園(吉岡黎明会長)、こどものその(谷口ジョゼー理事長)、希望の家(上村ジャイロ理事長)に各1万レアルずつ贈呈された。
寄付金贈呈式には、各団体より与儀経営委員長、吉岡会長、谷口理事長、上村理事長らが出席した。
谷口理事長は、園生の高齢化問題などに触れ、「協力費に心より感謝したい。大きな助けになる」と謝辞を述べた。
やすらぎホームで身寄りのない精神病患者の入居者らに心を痛める与儀経営委員長は、「入居者にできるだけ楽しく、快適な生活を送ってもらいたい。頂いた寄付金で設備等を新しくしたい」と笑顔で話していた。