ニッケイ新聞 2010年4月9日付け
8日付伯メディアによれば、一連の汚職事件のため、3月16日に選挙裁判所の解任宣告を受けたブラジリア連邦直轄区元知事のジョゼ・アルベルト・アルーダ(無政党)氏の政権下で、ボルサ・ファミーリア(貧困家庭手当政策)運営費の100万レアルが不当に運用されていたことが発覚、国庫庁により告発されたと報じられた。
同区での同政策への登録者数は、7万1千家族28万人、同地区の人口の10%に当たる。社会開発省から同政策の運営費として同区政府には1カ月約5万8千レが支給されており、08年から09年の支給総額は約140万レに及ぶ。
今回、同金額の60%を占める100万レが、同政権により同区社会開発局建物の塀の建設費に使用され、社会開発省の規定に違反があったことが国庫庁により摘発された。
不適運用された100万レは、約1千家族の1年間の支給額分に相当し、本来なら登録家族に配給されるはずの資金だった。
国庫庁は報告書を提出し、同政府に事実の公開を求めているが、今だその返答は得られていない。国庫庁は、今後、その100万レの返金を要求していく意向だ。
同政府側では、「同省より支給された資金は、全て登録家族へ直接に配給される資金だったわけではない」と、意見の食い違いがでているようだ。