ニッケイ新聞 2010年4月9日付け
07年に約200万人を動員しブラジル全土で話題を呼んだジョゼ・パジーリャ監督の映画『トロッパ・デ・エリーチ』の第2弾の撮影が9日に終わり、8月の公開に期待がかかっている。
リオの軍警察特殊部隊(BOPE)と麻薬組織との抗争をリアルに描き出した同映画1作目は、同年ベルリン映画祭で金熊賞を受賞した。2作目は前作の13年後から始まり、軍警察特殊部隊のその後の発展、その街の力関係の変化を映し出す。
囚人に道徳を求めるあるジャーナリズム科の教授も登場、ナッシメント元特殊部隊大佐(前作では大尉)との意見の対立が描かれる。犯罪を撲滅すべき軍警察が汚職にまみれる姿を描いて話題になった前作に対し、今回は武装犯罪組織や国の責任のあり方を協調し、「議論を誘発したい」と同監督は抱負を述べた。
公開前に海賊版が出回り、内容を一部変更せざるをえなくなるという事件があった1作目。推定約1千万人が、非公式に映画を鑑賞したとされた。今公開に際しては、細心の注意が払われているようだ。8月13日より全伯で上映開始予定。