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岡田・アモリン両外相が会談=ニューヨーク=日本の新幹線技術をPR=原子力平和利用の協力も

ニッケイ新聞 2010年4月9日付け

 ハイチ支援国会合出席のためニューヨークを訪問中の岡田克也外務大臣は、3月31日午後(現地時間)、セルソ・アモリン伯外相と約40分間会談した。
 アモリン外相はハイチ支援に関して、今後も日本からの支援が期待されていると発言。岡田外相からは、現地のPKO宿営地で日本の国際救援隊員がブラジル部隊からシャワーを借りるなど世話になったことへの感謝が述べられた。
 岡田外相はまた、デジタルテレビ日本方式についてブラジルが南米諸国への採用働きかけに協力していることへも謝意。さらに、原子力の平和利用について協力を進めたい考えを述べたのに対し、アモリン外相は原子力の平和利用はもとより、日本と核の安全、不拡散、セキュリティ、特に核の廃絶についても同じ立場であるので協力していきたい旨を述べた。
 サンパウロ市・リオ間の高速鉄道計画に関しても取り上げられ、岡田外相は日本の新幹線技術は世界一であり、ブラジルにおいても採用されることに期待を表明。アモリン外相からは、日本の高い技術は十分認識しており、ブラジルは価格、技術、ブラジルの民間との協力等の諸点を踏まえて検討することとなるとする回答があった。

日伯領事当局間協議=移住者福祉、日語継承を支援=デカセギ20年セミナーも

 日本の外務省で3月25日、4回目となる日伯領事当局間協議が開催され、日本側は深田博史領事局長など外務省、関係府省庁およびJICA関係者、ブラジル側からはグラジローネ領事・在外ブラジル人コミュニティ局長ほか外務省関係者、アルメイダ労働雇用省・国家移住審議会議長などが参加した。
 在外ブラジル人支援に関する両国政府の取り組みに関して、教育・雇用など各分野で双方が意見交換を行ったほか、入管法改正、在日ブラジル人による犯罪、国外逃亡犯罪人について取り上げられた。
 日本側からは、在日ブラジル人支援の継続とあわせ、ブラジル側の積極的な援を要請。伯関係者も取り組みを進める意向を示した。伯側からはまた、定住者資格で日系人を受け入れる90年の改正入管法施行から20年に当たる今年、記念のセミナーを実施する考えが伝えられた。
 日本側は、日系人の絆を維持していくことが重要との考えとともに、高齢となった移住者の福祉や、若い世代の日系人への日本語継承について政府としても支援していきたい旨を述べた。
 その他、領事問題に関して日本側から、駐在員・家族への査証やブラジルにおける運転免許証などに関する問題や治安の改善、邦人保護への協力を申し入れ。これに対しブラジル側からは、外交・公用旅券所持者を対象とした査証免除措置について要望があった。