ニッケイ新聞 2010年4月10日付け
【既報関連】リオ州ニテロイ市ヴィソーゾ・ジャルジンの以前ゴミ捨場だったファベーラ、モーロ・ド・ブンバで、連日の豪雨により7日夜大規模な土砂崩れが発生し、50家屋が流された。約200人が生き埋めになったと推定される。
9日付伯メディアによれば、救急隊の活躍で、8日夜までに生き埋めとなった56人が救出され、17人の遺体が発見された。リオ州で起きた土砂崩れなど、一連の水害による死亡者は、これで182人にのぼる。
災害の起こった地区は、1970年から85年にかけて同市のゴミ捨場として利用されていた土地で、その後、25年間のうちに約100家屋が建てられていた。
付近の住民によれば、ゴミで固められた地盤からは煙が立ち上っており、事故発生直前に急斜面の途中で爆発が起こり、ゴミのなだれが発生したのが見えたという。
リオ州環境局は、今回の災害は通常の土砂崩れとは異なるとし、降り続く豪雨で地盤にできた亀裂から、腐敗したゴミから発生したメタンガスが流出、それによる爆発が土砂崩れの原因につながったと分析している。
また、9日付メディアは、リオのフルミネンセ連邦大学地理科学研究所による2004年度の調査報告から、すでに同地区の危険警告が市に提出されていたと一斉に報じた。
これに対し、ジョルジ・ロベルト・ダ・シルベイラ現市長は「同地区の危険に特化した報告はなかった」と否定するが、各メディアでは同市が報告内容を過小評価し、何ら対処策を講じていなかったことが今回の被害拡大につながった可能性があると指摘している。
同地区では9日午前も強い雨が降り、土とゴミのみが広がり家屋が見えない現場では、危険な状態が続いているという。