2010年4月10日付け
▼道路、機械整備、技術への投資の必要性が生じているブラジル
各リスク分析会社が、ブラジルを投資に最適の国だと指摘している。理由には事欠かない。油田の開発という新しい分野や、サッカーW杯と五輪開催を控えインフラ整備の必要性、また豊富な資源を持つからである。だが、街を素早く近代化するための準備はブラジルだけではできない。この過程には、日本の持つノウハウが助けになるはずだ。
国のインフラストラクチャー(インフラ、公共施設)は、経済的な生産能力を支えることができない。ブラジルは、2010年のGDP(国内総生産)成長率が5・2%と発表されたが、実際にはそれ以上にポテンシャルがあることが注目を浴びている。それなのに何故、急速に成長できないかというと、エネルギーや交通機関でのインフラ整備のリスクがあるからだろう。
例えば、食糧生産を拡大する余地があるのにそれが出来ないのは、全伯を網羅した効率的な交通システムが確立されていないためと言える。
ラテンアメリカ諸国の経済では一番注目をあびるブラジルも、産業や交通機関システムの再構築を必要としている。
例えば岩塩層下油田の採掘において、日本の経済パートナーシップを求めていることは間違いない。ブラジル企業は自社のテリトリーを拡大するためのアジア市場を探している。
最近、投資適格債(Investiment grade)をブラジルは獲得し、投資に安全な国という国際認識を得た。世界中の発展国から羨望を集め安定した経済、さらに食糧とエネルギーを自給自足できるとあれば、考慮されるべきだろう。日伯のビジネス関係は2002年から年々成長している。
90年代末のアジアの金融危機によって、日本企業は新しい交易体制の模索を強いられ、ブラジルはリスクの低い取引相手として地位を確率した。合意のもとで他の危機を回避するために経済を再活性化させることを目的に、グローバリゼーションは貿易交流の要求を高めるという結果をもたらした。
また日本はブラジルとの貿易において、国の安定した経済へ重要な役割を果たしつづけている。
しかしここで、2国間関係にとって、重税が足かせになっていることを認識する必要がある。日本では税金が収入の25%を越えることはないのに比べ、ブラジルでは2009年に35%にも達している。
今年後半には次の共和国大統領選挙が行われる。徐々に税金を減らし、国内生産だけでなく日本の投資家へブラジルにビジネスチャンスがあるという興味を引くような刺激を与えるために、行政組織の効率化と国の経費削減を推し進められる人間を国民は選出すると確信している。
ウィリアン・ウー
ブラジル連邦政府下院議員、社会人民党(PPS)。法学士、エンジニア。伯日国家議員連盟副会長。連邦政府国防国際関係委員会、同共和国保安委員会メンバー。