ゴイアス州=「神隠し」か集団家出か=6青少年が行方不明に=性的精神病者の犯人逮捕
ニッケイ新聞 2010年4月13日付け
すわ「神隠し」か――。昨年12月30日から1月20日にかけて首都ブラジリアから60キロ離れたゴイアス州ルジアニア市で、13歳から19歳までの青少年6人が続けざまに行方不明になった。伯字紙は集団家出か何らかの事件に巻き込まれたかと「大ミステリー」との論調で大々的に報道してきた。
ところが12日付け報道では、変態性欲犯罪の前歴がある左官工が逮捕され犯行を自白したことから、一縷の望みを抱いていた家族は絶望のどん底に突き落とされた。
連続殺人魔と見られるアデマール・デ・ジェズス容疑者(40)は、2005年に幼児性的虐待事件を2件おこしてブラジリアのパプダ刑務所に入れられたが、刑期の3分の1が過ぎたことから昨年12月23日から昼間だけ仮出所していた。
その最初の1週間目の同30日、最初の犠牲者がでた。ジエゴ・アルベス・ロドリゲスくん(13)だ。まだ中学3年で品行方正、正午ごろに自宅近くで行方不明になった。その後近所の16歳、17歳、16歳、14歳、19歳の青少年が何の形跡も残さず次々に忽然と姿を消した。
全員に共通しているのはなんら犯罪歴がなく、貧困地区の住民であったこと。左官工の自供によれば、建築資材の運搬を手伝ってくれれば50~200レアル払うと誘って、近隣の人気のない農場に誘い込み、犯行に及んだ。警察では性的暴行が目的とみて死体を掘り出して検証をしている。
エスタード紙は、昨年8月に出された同容疑者の精神鑑定書には「依然危険な状態であり隔離の必要がある」とされていたにも関わらず仮釈放されていたことに疑問を呈している。
同容疑者が立ち会って警察が実況見分し、指摘された場所から次々に、死体が発見されたが腐敗が進んでいるため、DNA鑑定で本人確認がされる予定。みな頭部を棒のようなもので撲殺されていることから、捜査責任者の市警のジョゼマール・ヴェス捜査官は「共犯者がいる可能性もある」と考えている。
同容疑者は、被害者から奪った自転車などの物品を自分の友人や親戚に配っており、その一つの携帯電話が今回の捜索の糸口となった。
3日朝、逮捕された同容疑者はすぐに容疑を認め、その晩までに2体の遺体が確認された。同容疑者と共に女兄弟、義兄弟、甥など4人も身柄を拘束されている。親戚によれば同容疑者は刑務所内での暴行被害に不満を漏らしていたと言うが、警察では同情を買うための言い訳だと見ている。
同捜査官は「彼は性的精神病患者だ。時間的なことから考えて、被害者は他にもいるかもしれない」としている。
最初の犠牲者ジエゴくんの家族は、生きて再会する希望を持ち続けてきた。姉のグラウシア・ゴメス・デ・ソウザさん(26)は「犯人が捕まったと聞いて安堵したと同時に、もう生きていないと知って谷底に突き落とされた気分だ」と悲しんだ。