ニッケイ新聞 2010年4月13日付け
首都ブラジリアは、工事現場さながらの状態で遷都50周年を迎えようとしている。10日付けエスタード紙によれば、カテドラルとプラナウト宮(大統領府)という二大観光名所が修復作業中のまま本番の21日がやってきそうだ。
当日はカテドラルへの一般人の入場は制限され、翌日に、外観改修工事の完成とともにミサが行われるはずだという。工事完了は6月の予定で、ステンドグラスやガラスの張替え、地下スペースの拡大、鐘の電動化など幅広い改修が行われ、予算は2500万レアル。
昨年3月からブラジル銀行文化センターが進めるプラナウト宮の改修は、創立以来初めて。政府によれば、すでに9600万レアルがつぎ込まれている。しかし、電話や電気関係のシステム設置が未完成で、ルーラ大統領が建築家オスカー・ニーマイヤー氏に「ファベーラのよう」と不満を口にした、と同紙。
DEM(民主党)の裏金疑惑で、たった2週間で知事が3人も変わるという政治的不安定さを露呈しており、50周年芸術祭の計画も干上がっているようだ。
世界の注目を集めるために、ポール・マッカトニーやマドンナなどの有名歌手を呼ぶ話もあったようだが、白羽の矢が立てられた歌手ロベルト・カルロスの所属事務所も、「光栄だが、この状態に国民も憤慨してる」と辟易している様子だ。