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セーラとジルマの支持率並ぶ?=労組依頼のセンスス調査=選挙高裁の登録名にミス=信頼度に疑問の声も

ニッケイ新聞 2010年4月15日付け

 10日付フォーリャ紙などが選挙高等裁判所での依頼主登録にミスがあったと報じていた、最新の大統領選支持率調査の結果が13日に発表され、民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏と労働者党(PT)のジルマ・ロウセフ氏が実質的に並んだと14日付伯字紙が報じた。

 センスス(SENSUS)が5~9日に136市の2千人を対象に行った調査によれば、セーラ、ジルマ両氏の支持率は、32・7%対32・4%で、ほぼ互角。
 これは社会党(PSB)のシロ・ゴーメス氏も参加した場合で、ゴーメス氏10・1%、緑の党(PV)のマリーナ・シルヴァ氏8・1%の支持を獲得。この場合、白紙7・7%、無回答9・1%となっている。
 一方、ゴーメス氏が不参加の場合の支持率は、セーラ氏36・8%、ジルマ氏34%、マリーナ氏10・6%。
 2次投票での予想も、セーラ氏41・7%にジルマ氏39・7%と実質同率で、白紙票は0・1%。他候補との決選投票では、両氏とも優位に立つという。
 セーラ、ジルマ両氏とも公認候補として出馬表明した後だけに、この時期の調査の結果は重要な意味を持つが、PSDB幹部は、この結果は意味がないと一蹴した。
 というのは、選挙高裁登録の調査依頼主が、高速道路関係の労働者組合Sindecrepから、サンパウロ州の大型建設工業界労組のSintrapavに変更されるなどの混乱があったため。
 同件では最初、Sintrapav会計が調査費支払用の小切手にサインしてないと発言。後に組合長が依頼した事を認めたが、真の依頼主は同氏が会長兼任の全国大型建設工業労働者連盟(Fenatracop)で、調査発表はPT支援労組フォルサ・シンジカルとの背景が、3月28日発表のダッタフォーリャ調査でセーラ、ジルマの差拡大と報じられた結果を打ち消すための細工との思惑を生んだ。
 また、センスス調査では、最初にルーラ政権評価をさせてから候補者名を見せ、誰に投票するか訊くなど、質問内容や順番も問題視されている。
 72・8%が現政権は最良または良いと評価した後に、ルーラ大統領と同じ政党の候補者としてジルマ氏の名を出せば、支持率が高くなるのは当然とPSDB。PT内でも、結果は喜ばしいが、謙遜に受け止めるべきとの声も出ている様だ。