ニッケイ新聞 2010年4月17日付け
一時は大統領選の行方を握る鍵ともいわれ、ジウマ・ロウセフ候補と組んでサンパウロ州知事候補にとも噂されたシロ・ゴメス候補(PSB=ブラジル社会党)だが、最近すっかり影が薄くなったあげく、出馬するかどうかすら怪しくなっていると16日付け伯字紙各紙が報じている。
15日、ゴメス候補は「PSBは本当に私を大統領選に送り込む気があるのか理解に苦しむ。選挙の行方が、6人の密室会議や、ブラジリアやサンパウロの政党事務所で決まるのはおかしい」と不満たっぷりに〃最後通牒〃とも言えるメッセージをたたきつけた。
それに対し、ロベルト・アマラウ党副代表は「それは不公平ないいぐさ。この数週間、孤立して、我々との対話の機会を持とうとしなかったのは彼の方。彼が自分の言いたいことを言う権利はあるが、党には党の方針がある」と切り返した。
PSB全伯本部では27日に党大会を開き、ロウセフ候補に協力するか、独自候補のゴメス氏で望むか、最終決断をする方針だ。
ゴメス候補は自らのサイトで、「絶対に立候補は諦めない。でも、党の方針には従う」と表明しているが、状況はいぜんとして流動的な展開になっている。