ニッケイ新聞 2010年4月20日付け
第3回目となる日伯貿易投資促進合同委員会が15、16の2日間、ブラジリアで開発され、日伯の政府、民間企業関係者が両国の貿易・投資に関わる課題や協力関係などについて意見を交わした。
同委員会は08年の甘利明経済産業大臣(当時)来伯を機に設置され、昨年2月にブラジリア、9月に東京で開催。貿易投資促進、ビジネス円滑化、度量衡、知的財産権などの分野での課題などについて議論している。
今回の会合には、日本側から経済産業省の石毛博行経済産業審議官、讃井暢子・日本経済団体連合会常務理事、中山立夫ブラジル日本商工会議所会頭、島内憲大使など80人、ブラジル側は開発商工省のイヴァン・ラマーリョ次官(ブラジル側共同議長)、ジョゼ・デ・フレイタス・マスカレーニャス・ブラジル全国工業連盟(CNI)副会長ら関係者が出席した。
ブラジルにおけるビジネス上の課題については、ブラジルの税制、技術移転に係る制約、中古資本財の輸入規制などについて意見を交換。ブラジル子会社との取引で生じる移転価格税制の問題に関しても取り上げられ、ブラジルの税務当局との間で日本企業の経営実態を踏まえた改善策について議論がなされた。
アジェンシア・ブラジルなどブラジル側の報道によれば、石毛審議官は会合後の記者会見で、技術移転にともなうロイヤリティーの支払い期間に言及。日本の技術が日本企業の長年の努力によるものと強調し、現行制度の5年間(5年間の延長が可能)では短いとの考えを示した。
また、ブラジルが世界で重要な経済大国であるとしながらも、日本企業が通関や認可など制度面での官僚主義による困難に直面しているとし、こうした問題が解決されれば日本からの投資、技術移転はより活発になるだろうと述べた。
ブラジル側から出席したヴェルベル・バラル同省貿易局長は、豚肉やコーヒーの対日輸出が検疫の面で障害に直面しているとし、改善に期待を表明した。
日伯貿易は08年の経済危機の影響で09年に前年比25%減少したが、今年1―4月には14%伸びた。ラマーリョ次官は会見で、今年全体の貿易額は08年の水準に戻るだろうとの見通しを示し、日本が今後もブラジルにとって大きな投資国であり続けることを信じていると述べた。