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水質や土壌に深刻な汚染=全国では300カ所もの指摘

ニッケイ新聞 2010年4月23日付け

 オズワルド・クルース財団などの調査によると、全国では深刻な水質や土壌汚染地域が300カ所はあると21日付エスタード紙が報じた。
 人口が集中し、工場なども多いサンパウロ州では、全国での汚染地域の10%に当たる30カ所の地名が出ており、シェルの貯蔵庫から漏れた発ガン性物質による地下水や土壌の汚染が起きたサンパウロ市のヴィラ・カリオカなどはその一例。ヴィラ・カリオカでの汚染範囲は半径1キロに及び、地域住民3万人に健康被害が出る可能性があるという。
 シェル側は実態調査を行い、対策も講じたというが、調査中に、同社では使わない溶解剤による汚染も発見。家庭ごみや企業から出る化学物質、重金属による複合汚染発生の可能性も高い事が判明した。
 サンパウロ州内の具体的な地名としては、ヴィラ・カリオカの他、クバトン、サンタジェルツーデス、サントアントニオ・デ・ポッセ、パウリーニア、サンパウロ市ジュルバツーバなどが挙げられているが、環境汚染の削減、撲滅には、企業努力だけではなく、環境基準徹底などの行政指導も不可欠だ。