ニッケイ新聞 2010年4月24日付け
聖北地区にある児童養護施設ラール・アンジョ・ガブリエルで11日、2回目となる日本祭りが開催され、家族づれなど約400人でにぎわった。
4~7歳の90人の貧しい家庭の子供たちが無料で通う同施設で、運営費捻出を目的に始められた日本祭り。今年は新星ACALや心響太鼓、文協の剣道グループなど日系文化グループも協力出演した。
YOSAKOIソーランやマツリダンスの披露、太鼓演奏、剣道のデモンストレーションに施設の子供たちも、舞台に身を乗り出して見入っていた。顔におしろいを塗ってサムライやゲイシャの格好をした子供たちも、太鼓の演奏に合わせてダンスを発表した。
会場では子供たちの折り紙工作や日本人形が展示されたほか、春巻きや天ぷら、寿司、饅頭などの日本食を販売、訪れた家族らも珍しそうに日本文化を楽しんだ様子だった。
アラン・テイシェイラ・ボニス君(5)は、同施設に通って2年間。母リンダルバさん(34)は、「この施設で良く面倒見てもらっている。いつも授業へ行きたがってくれるので嬉しい」と、その日も元気に発表する息子の姿を見守る。
通い始めて4カ月だというチアゴ・バチスタ君(3)の母ロリウエネさん(24)は、「施設の存在は大変ありがたい。子供たちのために活動して下さる皆さんに、感謝している」と話した。
材料の野菜や春巻きは、開催を知った一般家庭や近隣の住民により寄付された。同施設のボランティアで同祭企画を担当した富田ゆきさんは、「今回もたくさんの支援を得て開催できました」と振り返り、「昨年よりも来場者が増え、多くの資金が集まりました。来年は、さらに受け入れる子供の数を増やしたい」と笑顔で話していた。